別れちゃったけど……【三ツ谷隆】

自分でも分からない ページ14

どこからの声だったか分からない。








でもその声は確かに私と美夢ちゃんを狙って近づいてくる。







一瞬、タカちゃん……？と期待したけどタカちゃんはこんな声じゃない。








白い特服の人が私たちを目掛けて走ってくる。……いや少し違う。







この……多分……メビウスの人……方向からするに美夢ちゃんを狙って来ていた。








しかもその手に持ってるものは銀色に輝くナイフ。尖っててぶっすりいかれたらタダではすまないだろう。










でもなんで美夢ちゃんを共闘してるメビウスが狙うの……？








個人的な恨み？それとも………………？









モブ「女なんかが来るからだよッ！悪く思うなよ、異常女！！」









異常女。









それはきっと私じゃなくて美夢ちゃんのこと。








そして美夢ちゃんを見れば「え……。なんで？」と訳が分からない、という顔をしていたのと













折角私を痛めつけてたのに邪魔が入ったという不快感からか顔を歪ませている。











美「私の邪魔をしないでっ！！なんでアンタが私の邪魔をするのよ？喋ったことも無いアンタから！！
いいの？半間君に言いつけるわよ！！」










鬼のように怒鳴る彼女とは正反対に笑みさえ浮かべる特服の人。










モブ「残念だがなぁ……半間さんだよ！！お前をこうしてまで消せって言ったのは……。お前はもう用無しなんだとよ。」








美夢ちゃんに絶望の色が浮かぶ。









美「なん、で…………！？ちょっと半間！！聞こえてんの！？私を裏切る気！？」



半「ヒス女がなんか言ってんなァ？お前はもう用無しだァ♡せめて死なねぇように腹守れよォ？」








因果応報とはこのことってこと……？分からないけど。









美「きゃあああああ！！」








耳をつんざくような悲鳴に私は顔を顰めながら彼女を…………



















庇うように前に出ていた。その私のお腹からは赤いものがじんわりと浮かび出す。



















あ、やばい。








これ死んじゃうかも。










最後に見たのは遠くから慌ててくるタカちゃんの必死な顔だったーーーーーーーーーーー。

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