蔵馬のお嫁さん(仮)になりまして

お嫁さん(仮)です10 ページ11

ぼ「Aちゃん！そっちに虫行ったよ！」

貴「うん、ぼたんさん！」











虫を捕まえ始めてはや30分。……私たちは住宅街から比較的静かな路地裏で虫退治をしていた。











時計を見るともう30分たっていたから驚いたわ…………。













でも子閻魔の言った通りただマンションの一室で待っていた時より何かをしていた時の方が良かったのかもしれない。
















待つだけなのは性に合わないから。













シュッ……とスプレーを虫にかける。











ぼ「ふぅ……、これでここは終わりかい？」

貴「多分……。」










そうかい、と言いながら「近況報告でもしようかね」とゴソゴソとポケットを漁り出す彼女。













……何をしてるんだろう。












出てきたのは紫色の丸いパカッと開ける形状の物だった。












貴「ぼたんさん、それは…………。」

ぼ「これはね、向こうと通信できる優れものさ。ちょっとアンタも見とくんだよ。」













パカッと開くと画面になっていない方のボタンをカチカチ……とおした。













すると…………、ただの砂嵐だった画面が少しずつ変わり始めた。











黒髪のリーゼントをしてる男の子が映ったのだ。















ぼ「よし……写ったね……。幽助〜、こちら人間界のぼたんとAです。

どうぞ〜〜。」










あの黒髪の人は幽助君、というらしい。












遊助君は私の方を向いて驚いたように彼女に問いている。














幽「おい、誰だ。その横の女。」

「うひょ〜〜！なかなかにかわい子ちゃじゃねぇの！」














黙れ桑原！とワーワーしだす彼ら。













桑「初めまして、可愛らしいお嬢さん。自分は桑原と言います。」












さっきの顔とは全然違うキリッとした顔で私を見つける桑原さん。















ぼ「遊助、Aちゃんは子閻魔様から一緒に頑張れ……って司令を貰ったのさ。




コラコラ、桑ちゃん……Aちゃんを困らすんじゃないよ。」



















後ろからA……？とつぶやく声が聞こえた……気がした。

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