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32:理性と情動 ページ16







尻尾で内腿を撫でられてくすぐったさから声が漏れてしまう。

元々獣人は本能に従って生きる種族で、理屈や世間体なんてそっちのけで本能を優先している。剣持さんや三枝さんみたいな有名な種族でも多少制御できていても根底は変わらない。

その上私の能力のせいで自制心が更に弱まってしまってる。

じっと熱を帯びた瞳で見つめられて、貪るようにキスをされて、私もこの雰囲気に流されてしまいそうになる。



「……ぅ、」

剣「抵抗しないんですか?」

「力で剣持さんに勝てるわけないじゃないですか。」

剣「それはそうですね。」



私の言葉を聞いて微笑んだ剣持さんの手がゆっくりと服の中に入ってきてお腹を撫でる。

あぁ、まずい。このままじゃ本当に剣持さんの好き勝手にされてしまう。

そう分かっているはずなのに身体が動いてくれない。

身体の痺れとか、剣持さんに動きを防がれているからとか、そんな理由じゃない。私の能力の副作用みたいなもののせいだ。

身体の痺れだけが副作用じゃない。

パッと私の腕を掴んでいた剣持さんを振り払って今度は私が剣持さんをベッドに押し倒すように体制を変えた。



剣「……ッ!?は、何して!」

「剣持さん……、獣人が本能を制御できないって有名な話ですよね。」

剣「急に何の話して……」

「サキュバスも同じなんですよ。」



それを聞いた剣持さんは「は?」なんて気の抜けた声を出しながら真っ赤な瞳を大きく見開いて私を見た。

他の種族より本能を制御できるのがサキュバスだ。

でもそれは1回タガが外れてしまえば自分で戻すことができないからで。

それが外れてしまえばサキュバスが1番危険な生き物って言うのを隠すためにこれを知っている人は数少ない。だから剣持さんが驚いてるのも無理はない。

でもどうしよう。

余裕ぶった剣持さんが崩れる姿を想像するだけで楽しくて、面白くて、口角が上がってしまう。



「ごめんなさい。」

剣「ちょ……ん!」



剣持さんの言葉を遮るように自分の唇を剣持さんの唇に重ねる。

自分の"誘惑"は全く効かないし、これまでこんな風になることなんてなかった。だから安心しきっていたけどこうなった以上は自分じゃ止められない。

謝罪の言葉とは裏腹に、楽しいっていう感情が沸き上がってくる。

だってこれがサキュバスとしての生き方なんだから。

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- この作品マジで私が出会ってきた作品の中で一番好きです! (2月10日 22時) (レス) @page38 id: 69a42b17dc (このIDを非表示/違反報告)
黒柚木 - 一気読みしました!kidとrlnの登場がうれしすぎます…!次回も楽しみにしています! (2月7日 12時) (レス) @page33 id: 5e10f7df77 (このIDを非表示/違反報告)
ペン(プロフ) - はじめまして、いつも楽しく見てます!!まさかの幼馴染に発狂しましためっちゃ好きですありがとうございます。これからも楽しみにしてます! (1月27日 23時) (レス) id: 5e2227c856 (このIDを非表示/違反報告)
蛙猫(プロフ) - 逆ハーレムのお話の中でもとても面白い作品でした。 (11月5日 13時) (レス) @page30 id: 94cbed9533 (このIDを非表示/違反報告)
(^o^)/(プロフ) - 本当に本当に主様の作品が大好きです。この作品一生愛します (11月3日 18時) (レス) @page30 id: b873b0040b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もも | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/Momo_UxxU_  
作成日時:2023年2月4日 19時

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