30:稀有な存在 ページ12
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剣持さんへの心配と、新しい人が来るっていう自分への不安が入り混じって全然寝れなくて、加賀美さんを好きになった時以来の寝不足になってしまった。
そのせいで毎朝部屋まで起こしに来てくれる不破さんにもこの前と同じようにクマのせいで笑われたし。
不「また社長に能力使われたとかやないんやな?」
「……え、何で不破さんがそれ知って!?」
不「社長が卑怯な手ぇつかったからって皆に謝ってたんよね。で?今回はそれじゃない?」
「ただの寝不足です。あまり寝付けなくて。」
不「え〜、今日も寝れそうになかったら俺が寝かしつけてあげよっか?」
いつもだったらそう言った不破さんを軽くあしらって終わるんだけど寝不足で頭がふわふわしてるせいで「それもいいかもしれないですね。」なんて言う。と、不破さんは驚いて顔を赤くしたまま固まってしまった。
どうしたんだろう、と思いながら不破さんの顔を覗き込むと、不破さんは顔を私から逸らしながら階段の方へと向かい始めた。
不「今の俺以外に言ったらあかんよ?」
「……?はい。」
不「約束破ったらお仕置きするから。」
不破さんの方が先を歩いてるから顔は見えないけど耳元は赤く染まっていて。
これを他の女子が見たら勘違いするんだろうな、なんて呑気に考えながら不破さんの後をついていこうとした時、剣持さんの部屋から昨日と同じように大きな物音が聞こえた。
断続的に剣持さんの部屋から聞こえてくる音に気を取られて視線を剣持さんの部屋のドアに向け、脚を止める。と、不破さんが急に私の腰元に手を伸ばして自分の元へと身体を引き寄せた。
不「こら、まゆに言われたでしょ?この時期のもちさんはやばいって。」
「すみません。つい……」
不「もちさんが心配?」
不破さんのその言葉に首を縦に振る。
昨日から色んな人に暴走期の剣持さんは危ないから近づくな、って言われてる。でも、あんな大きな物音を立てて、いつもと雰囲気も違っていて。怪我でもしたらどうするんだろうって考えるとやっぱり心配になってしまう。
こんなの余計なおせっかいだってことは自分でも分かってるのに、どうしても気になってしまう。
不破さんに腰を引かれて会談の方へと身体が剥く。が、視線はやっぱり剣持さんの部屋に向いてしまって。
そんな私を見た不破さんは「Aちゃんってやっぱ変な子やね。」なんて言ってきた。
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葵 - この作品マジで私が出会ってきた作品の中で一番好きです! (2月10日 22時) (レス) @page38 id: 69a42b17dc (このIDを非表示/違反報告)
黒柚木 - 一気読みしました!kidとrlnの登場がうれしすぎます…!次回も楽しみにしています! (2月7日 12時) (レス) @page33 id: 5e10f7df77 (このIDを非表示/違反報告)
ペン(プロフ) - はじめまして、いつも楽しく見てます!!まさかの幼馴染に発狂しましためっちゃ好きですありがとうございます。これからも楽しみにしてます! (1月27日 23時) (レス) id: 5e2227c856 (このIDを非表示/違反報告)
蛙猫(プロフ) - 逆ハーレムのお話の中でもとても面白い作品でした。 (11月5日 13時) (レス) @page30 id: 94cbed9533 (このIDを非表示/違反報告)
(^o^)/(プロフ) - 本当に本当に主様の作品が大好きです。この作品一生愛します (11月3日 18時) (レス) @page30 id: b873b0040b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もも | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/Momo_UxxU_
作成日時:2023年2月4日 19時