【逆.ハ.ー】純.欲サディスティックナイト 2

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「そう言えば加賀美さんは何でここに？」

加「まだ他の方には伏せてるんですけど、停学中の生徒が寮に帰ってくるんですよ。その方が剣持さんと仲が良いので先に言っておこうかなと思いまして。」

「停学中？そんな人いたんですか？」

加「はい。ちょっと問題を起こしてしまって停学に……」



女の子をとっかえひっかえして、泣かせたりして、それで問題児になっている今の寮の人間でも停学になった生徒はいないのにどんな人が停学になったんだろう。そもそも停学から復帰した後にここに来るってことは更に問題児が増えるってことだし。

そんな不安が湧いてきて眉を顰めると、加賀美さんは私が何を考えているかを察したらしく、安心させるために「大丈夫ですよ。」なんて声をかけてくれた。



加「性格も良い方ですし、Aさんもすぐに打ち解けられると思いますよ。」

「そんな人が何で停学に？」

加「ギャンブルに勤しんでいたのが教師にバレたらしくて。それさえなければ家柄も能力も文句のつけようがないんですけどね。」

「へぇ……」



学生なのにギャンブルに勤しむってことはパチンコ店にでも通っていたんだろうか、なんて勝手な想像をしてしまう。

そんな人と生真面目そうな剣持さんが仲良しっていうのも不思議っていえば不思議だけど、不破さん達みたいに学校が一緒だったりすれば仲が良くてもおかしくはない。



加「簡単に言えば私の上位互換みたいな存在ですよ。」

「加賀美さんの上位互換？」

加「私は半神ですけど彼は完全な神なので。」

「神様がギャンブル……」



絶対に一緒になることがなさそうな言葉を呟きつつ、どんな人なんだろうかと想像を進める。

近い内に寮に戻ってくるってことはそろそろ私も理事長から呼び出されてその彼についての資料だったりをもらったりするんだろうな。



加「Aさんは……その……」

「え？」

加「私よりも何もかもが上の方が現れたら私に愛想を尽かせたりしますか？」



そう言った加賀美さんは不安げな表情を浮かべていて。

愛想を尽かす、だなんて夫婦間の言葉みたいだなとは思いながらもそれを隠して、「そんなことしませんよ。」って言うと、加賀美さんの顔は不安げな表情から嬉しそうな表情へと変化した。

それにしても、加賀美さんの上位互換、か。

加賀美さんの能力ですら私には何の対処もできなかったのにそれ以上の力になるとどうなるんだろう、なんて不安を消すためにグッと拳を握り締めた。

30:稀有な存在→←29:上位互換的

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