【逆.ハ.ー】純.欲サディスティックナイト (ページ32)

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16:優越感と嫉妬ページ32

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あの件以降、不破さんは講義が終わればすぐに寮に帰ってくるようになった。最初の内はみんなが外に連れ出そうとしてたみたいだけど不破さんが断り続けるから1週間もしない内にそれもなくなった。

「不破さん、暑いんでちょっと離れてください。」

不「え～、嫌なんやけど。」

「そんなんじゃ好きな子に勘違いされますよ。」

まあ前みたいにスキンシップは激しいままだし、隙さえあれば近くに寄ってくるから困ってるのは私くらいかもしれない。

もう6月の始めで、こんな風にくっつかれると暑くて仕方がなくて、腰に回されてる手を振り払って少しだけ距離を開ける。が、すぐに近くに寄ってきて今度は私の方に頭を乗せた。

これが彼女だとしたら男の子は相当嬉しいんだろうな、なんて考えながら不破さんを引き剥がすのを諦める。そんな私達の様子を見ていた剣持さんが私の隣に座って「あの、」と肩を叩いた。

剣「最近2人とも距離近くないですか？」

「え、」

剣「何かあったんですか？」

剣持さんにそう聞かれたけど答えられずに口を閉ざしてしまう。

何かあったと言えばあった。でもこれは不破さんに関することだし、中学の頃から仲の良い三枝さんと黛さんにも隠してきたことを私が勝手に話していいわけがない。

なんて説明すればいいんだろう、って迷っちゃって不破さんに視線を送る。すると不破さんは「もちさんには内緒。」なんて言って意地悪そうな笑みを剣持さんに向けた。

剣「はぁ？」

不「俺とAちゃんだけの秘密やもん。」

「ごめんな～。」なんて言いながらも少し嬉しそうにしてる不破さんを見た剣持さんは一気に不機嫌になる。いや、私を挟んでこんなやり取りしないでくれないかな。

能力のせいで多かれ少なかれ、全員私に好意は抱いてるわけだし、私と秘密を共有してることを剣持さんに見せつけてる不破さんがクソガキに見えてくる。好きな子の取り合いなんて女の子みたいなことしないでほしい。

剣「ずっと一緒にいて僕等を近付けないようにしてるし、抜け駆け禁止とか言ってたくせに自分がするのはどうなんですか。」

不「にゃはは、そんな約束したっけ？」

剣「しましたよ。」

「私がいないとこで勝手に変な約束しないでくださいよ。」

そう言って夕食の準備をしてる黛さんの元へ逃亡する。

剣持さんと不破さんはまだ言い合いをしてるけど私が関わったらさらに拗れるよな、なんて考えながら黛さんに「手伝います。」って声をかけた。