【逆.ハ.ー】純.欲サディスティックナイト (ページ16)

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叶さんの腕の中から抜け出そうとしてるのに力が強くて抜け出せない。女の子みたいに可愛い顔立ちだし見た目的には非力っぽいのに男女の力の差に勝てない。

そうしてる間にも部屋の鍵が締まる音が聞こえて焦りが募っていく。

叶「一旦落ち着いてよ。このままだと能力使っちゃいそう。」

「じゃあ離してください！」

叶「え～、せっかくAちゃんと一緒にいれるのにそれは嫌かなぁ。」

叶さんの反応を見て説得しても通じそうにないことを悟る。このままの状態で何とか言いくるめて部屋から出るのが最善策かもしれない。

1番怖いのは私が能力を使う前に叶さんが能力を使って身動きをとれなくなることだ。でも能力を使う以上叶さんにだって何かしらの負荷や条件があるだろうし、先に使ってしまえば私の勝ちかもしれない。

「叶さん、離してください。」

叶「……それ卑怯じゃない？僕は使わなかったのに。」

「だってお願いしてもきいてくれないじゃないですか。」

私から離れた叶さんに背を向けて鍵を開けようとする。が、その手は叶さんによって遮られた。

自分の言うことを聞いてるとばかり思ってた人間が急に動き始めてびっくりして息が止まりそうになる。そんな私を見て悪戯っぽく笑った叶さんは優しい声色で「こっち来て。」なんて囁いた。その瞬間、自分の意志と関係なく叶さんの方へ足が進む。

能力を使われたって察してもどうすることもできなくて、ヒュッと、冷たい息が喉の奥に入っていく。

このまま叶さんの好きなようにされるんじゃないかって考えたら怖くなってきて。私の様子に気付いたのか分からないけど叶さんが私のおでことトンッと指で軽く叩いたのと同時に身体が動かせるようになった。

叶「Aちゃんって純粋だよね。僕が言うこと聞くふりしてるなんて考えてもなかったんでしょ？」

「ふりなんて……酷くないですか？」

叶「先に使ったのはそっちでしょ？まぁ命令系の能力なら僕の方が力が強いから利きが悪いんだよね。だからさ、Aちゃんが嫌がってても触れることができる。」

そう言われながら首筋をなぞられて、「ひゃ……」なんて声が漏れる。その声を聞いた叶さんは動きを止めて大きな溜息を吐いた。

叶「能力のせいかな。夜の方が色んな感情が湧いてくる。」

熱を帯びた視線を向けられて、能力を使われたわけでもないのに身体が固まる。

動かなきゃって分かってるのにその視線に囚われて動けなくて、息を呑んだ。