【逆.ハ.ー】純.欲サディスティックナイト (ページ15)

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07:暗闇での捕獲ページ15

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あの後時間はバラバラだけど全員帰ってきて、部活に行ってた剣持さんと生徒会の仕事があった加賀美さん、クラスメイトと談笑してた三枝さん以外は女の子のとこに行ってたことが判明した。その上、叶さんが遊んでた子が彼氏持ちだったってことも判明して頭が痛い。

女性関係を正すための監視役なのに諸一でこんなに舐め腐られてるなんて今後やっていける自信がない。

能力を強めに、それでいてほどよく使えればいいんだろうけど制御が苦手な私がそれをできるまで1年以上はかかる気がする。

私を好きになったんじゃなくて、本能的に私が欲しいって感じだし、きっと他の子のとこに行かないでって言ったとしても無視される。最終的に手に入ればいいみたいな扱いだ。

「あﾞ～！もう！寝れない！」

布団を脱いで起き上がる。

自分だって人の行為を利用して生き永らえる種族ではあるけど相手はちゃんと選んでる。それに相手の要望通りに容姿だって変えれるから、相手は良い夢を見たくらいにしか捉えない。だからこそ不純すぎる恋愛を続けてる彼らの姿を見てもやもやする。

怒りで目が冴えちゃって全然眠れなくて、とりあえず水でも飲んで落ち着くために部屋の外に出た。

もう2時過ぎだしさすがに誰も起きてないだろうけど、起こしちゃったら迷惑だから足早にキッチンへ向かってコップに水を注ぐ。明日は朝から呼びかけてみるのも良いかもしれない。なんて考えながら一気に水を飲み終えて階段を上ってると廊下の隅で何かの影が揺らめいた。

この世界にはサキュバスだって吸血鬼だって、獣人だっている。勿論霊に近しい存在もいる。でも5月上旬で肌寒くて廊下も真っ暗だから妙に不気味で急いで自室へ向かおうとした時、グッと腕を引かれて誰かの部屋に連れ込まれた。

「きゃっ！」

「Aちゃん捕まえた♡」

「か、なえさん……」

電気が消えてて暗い部屋に月明かりが差し込んで、薄っすらと叶さんの顔が見える。

お化けだと思ってたから心臓がバクバクと激しく動いてて、それを落ち着けるために息を整えてると叶さんに抱き締められた。

叶「夜遅くに出歩くなんて危ないよ？」

「ちょ、離して……」

叶「みんながAちゃんの傍にいるから寂しくてさ～。やっと2人になれたね。」

お化けじゃないって分かって安心しきってたけど、深夜に異性の部屋でふたりきりっていう危なすぎる状況に置かれてることに気付いて。

黛さんの"油断しすぎ"って言葉が頭に過った。