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1時間の練習を終えて
「ちょっとだけ」という2人の圧力に根負けし、
夜遅くまで開いてる定食屋に入った。
もう既に23時を回っている。
「僕、明日5時集合なんだけど」
「うん、分かってる分かってる」
と言いながらもペラペラとメニューをめくって悠長に何食べるか迷ってるベッキョンにイラつく。
するとチャニョルも痺れを切らしたのか、
ベッキョンの注文を待たずに口火を切った。
「今度共演する女優、すっげー美人らしいじゃん！なんで俺らに黙ってたんだよ！」
「は？」
「は？じゃねぇよ。それはこっちのセリフ」
「おばちゃーん！このセット3つ！」
「ちょっと意味分かんないんだけど」
「だからさ〜ギョンス。なんで俺らに黙ってたかってことだよ」
「あれだ、この前の映画のヒロインちゃんを紹介してってしつこくベッキョンが言ったから！」
「え〜俺のせい？」
ちょっと待って。
「ねぇ、さっきから共演女優って何のこと？」
「しらばっくれんなよ〜。昨日コウタからカトクがきてさ。ギョンスのドラマが友達のデビュー作になるからよろしく伝えてって。美人だから変な虫が寄り付かないようギョンス君に守ってもらわないとって」
「あの面食いコウタが美人だって言うんだから」
コウタ君はspikeっていう日本のバンドのベーシストでチャニョルの友達。僕は1回だけ会ったことがあるけど、ベッキョンは既にチャニョル抜きで遊ぶほどの仲らしい。
「検索してみたけどどこにも写真がなくてさ〜。
これはやっぱギョンス様に聞かないとって、な？」
「で、どうなの？美人？」
前のめりで詰めてくる2人と僕の間に
「お待ちどうさま〜」と運ばれてきた料理の湯気が一気に立ち込めた。
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作者名：uecco | 作成日時：2018年11月18日 15時
