僕の中の奇跡。１ VIXX

008：一眼レフカメラ。 ページ8

　ハギョニヒョンは、なかばケンに追い返される形で、足早に帰って行った。

　HONGBIN「利口だな、お前(笑)」
　ケンの頭を撫でてやると、すぐに鳴きやんでしっぽを振りだした。
　A「助けて、って本当だったんですね」
　HONGBIN「嘘で言わないけど、言った後に重すぎたって思って」
　A「私に何が出来るのかな」
　
　HONGBIN「とりあえず、今日は僕だけの君だから」
　
　A「・・・」
　HONGBIN「ケンは？」
　A「いつも散歩終わると、預けに行くんです」
　HONGBIN「どこに？」
　A「お兄ちゃんの奥さんの実家に」
　HONGBIN「そっか、じゃあ、何時ぐらいだと自由に出来るかな？」
　携帯電話を取り出して時間を見た２人。
　A「９時ぐらいだと大丈夫です」
　HONGBIN「うん。僕も着替えてどこで待ち合わせ？」
　
　市内のカップルがよく待ち合わせに使う場所ではなく、本屋さんという彼女に、
　らしさを感じた。
　
　A「そのカメラで景色撮ったりするの？あ、するんですか？」
　HONGBIN「するの？の方がいいな(笑)」
　A「・・・するの？(笑)」
　
　そう言えば昨日から一眼レフを首から下げたままで何も撮っていなかった。
　首から下げているカメラを外して、彼女に手渡した。
　A「お、重い(笑)」
　HONGBIN「ケン預かってる」
　彼女の手からケンの散歩ロープをもらってカメラを見ている彼女の顔を眺めてた。
　
　HONGBIN「撮ってみる？」
　A「うん(笑)」
　彼女からカメラをもらってすぐに写真を取れるように準備した。
　HONGBIN「なに撮るの？」
　カメラを持った彼女は嬉しそうに辺りを見渡した。
　A「ケンと２ショット(笑)」
　HONGBIN「僕とケンの？(笑)」
　そういうと彼女はちょろちょろしているケンに視点を定めてカメラのレンズを向けている。
　
　A「あ・・・(笑)」
　僕は地面に寝そべってケンと同じ視線になるようにうつ伏せに転がってみた。
　HONGBIN「お、こら、ケン(笑)」
　背中にケンが乗った状態で彼女はそれを見て笑っている。
　HONGBIN「早く(笑)早く撮って(笑)」
　ガシャガシャガシャ・・・・
　背中のケンが動いてくすぐったいのを我慢しながら、視線はレンズに向けた。
　
　A「このボタンで確認できるのかな？(笑)」
　立ち上がってファインダーに写る画像を一緒に見た。

　ー２ショットというより、ケンがメインで僕がなんとか・・・収まってる感じ(笑)

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