僕の中の奇跡。１ VIXX

038：つながらない電話。 ページ38

　N「とりあえずグループ名も芸名も決まったねー」
　KEN「やっぱり芸名で呼びあった方がいい？」
　N「そうだね、その方がファンの方とかも覚えてくれやすいだろうし(笑)」
　
　HYUK「Nヒョン・・・プッ(笑)」
　N「おかしい？Nって」
　HYUK「NGのNって覚えやすいなって思って(笑)」
　N「NGのNじゃないだろー！バカっ」
　ハギョニヒョンが、ヒョクの首を絞めたふりをして騒いでいる。
　
　HONGBIN「ゴメン、ウォンシク。お前と一緒のメニューでいいから言っといて」
　RAVI「連絡するの？」
　HONGBIN「うん」
　RAVI「わかった、注文言っとく」
　僕は席を立って、店を出て事務所の反対側に歩いた。

　急いで携帯電話を取り出して、Aちゃんの番号にかけた。
　♪ツルルルル
　呼び出し音が鳴るたび、頭の中でカウントした。
　１回、２回・・・５回。
　意識して出ないのか、今は出られないのかわからず、不安な気持ちが倍増して
　いった。
　でも着信があったのを見れば、何か入ってきてくれるはずと思ってカフェに
　戻った。

　まだ食事は運ばれてなくて騒いでるみんなを見ながら席に座った。
　RAVI「どうだった？」
　横の席のウォンシクが他のメンバーにばれない様に小さな声で聞いてきた。
　僕は首を横に振って、立ててあるメニュー表を取った。
　HONGBIN「何、注文したの？」
　RAVI「大盛りカルボナーラ」
　HONGBIN「大盛り？(苦笑)」
　
　店員「ちょっと、新人だったら先輩より先に持って行きなさいよ」
　女の人がきつい口調で言ってるのが後ろの厨房から聞こえてきた。
　隣のウォンシクも聞こえたみたいで僕たちは顔を見合わせて苦笑いした。
　
　店員「お待たせいたしました(笑)チキンステーキのお客様は？」
　さっきの口調と全然違っているけど、声でわかった。
　KEN「あ、僕です」
　店員「熱いのでお気をつけてください」
　満面の笑みで女の人はテーブルにトレイを置いた。
　
　RAVI「女って怖い(苦笑)」
　HONGBIN「バカ、聞こえるよ」
　ー「お待たせしました。大盛りカルボナーラのお客様・・・」
　僕とウォンシクがこそこそ話しているとジェファニヒョンが大きな声を出した。
　KEN「あれー？」
　その声に驚いてジェファニヒョンを見た。
　RAVI「どうしたの？」
　KEN「え、あ、っと…」
　ジェファニヒョンが明らかに様子がおかしくて食事を運んできた店員さんを見た。
　その店員さんが首を横に振っているのが見えたけど、顔まで見えない。
　

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