僕の中の奇跡。１ VIXX

029：２人だけのかくれんぼ。 ページ29

　彼女は立ち上がったまま、キッチンの方へ歩くのを目で追った。
　ここからは彼女の姿が見えない、しゃがみこんでるな。
　まだ、読んでない？隠れて読むの？(笑)
　♪pi………
　彼女からのメールが届いた。
　彼女からの初メール。『大好き』
　短い文なのに、100年分ぐらいの幸せを感じた。

　すぐにまたメールが届いた。
　『愛してる≦大好き』
　HONGBIN「プッ(笑)」
　僕の愛してるより、Aちゃんの大好きの方が大きいって言いたいの？(笑)
　負けずぎらい？(笑)
　
　僕はゆっくり立ち上がって彼女から僕が見えないのを確認して動いた。
　
　『５秒以内に僕を探して』
　もちろん隠れ終わった後にそのメールをAちゃんに送って布団の中に、
　身をひそめていると、スリッパの足音がパタパタ・・・と聞こえた。
　５．４．３．２．１
　
　１度隠れてた場所なのに、５秒以上過ぎても彼女が来ない。
　
　なんか悲しくなって潜ってた布団をゆっくりめくって座ろうとしてた・・・
　HONGBIN「うわぁー」
　めっくていた布団ごと押さえられて勢いよくベッドに逆戻り。
　A「そんなにベッドが好き？(笑)」
　押さえられた布団の中で彼女がそう言って笑ってる声が聞こえた。
　僕は布団の脇から両手を伸ばして布団ごと彼女を抱きしめた。
　A「え！！」
　HONGBIN「この布団、重くてちょうどいい(笑)」
　A「うわ・・・最低な発言」
　両手が動かせないAちゃんは足をバタバタ動かしている。
　HONGBIN「ちょ、ちょっと足動かし過ぎ！」
　布団とAちゃんを抱えているのに、どんどんずれていっている僕たち。
　A「離して」
　HONGBIN「離すから足のバタバタ止めて！」
　
　布団が顔にかぶさっていて、どうなってるかわからないまま・・・
　ドン！！
　HONGBIN/A「「うわぁ！！」」
　僕とAちゃんと、掛け布団が床に落ちた。
　落ちる、って思った瞬間、僕は自然と彼女を守ろうと思ったけど・・・
　A「ホンビンくん、大丈夫？」
　なんとか彼女は僕の上に落ちてくれたみたいで安心した。
　HONGBIN「この高さだと平気(笑)」
　彼女は立って僕をベッドの脇に座らせてくれた。
　落ちた布団を拾い上げてる彼女の腕をぐっと引きよせて、ベッドに彼女を
　倒した。
　A「・・・」
　HONGBIN「何もしないから」
　落ちてる布団を引き上げて、僕と彼女がかぶれるように伸ばした。

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