僕の中の奇跡。１ VIXX

022：ポケモンゲット。 ページ22

　それでも本気で走らなくてもすぐに僕は彼女に追いついた。
　HONGBIN「もう〜」
　A「追いつかれちゃった(笑)」
　HONGBIN「こう見えても僕は陸上で国内では有名なんだよ(笑)」
　A「ホントに？」
　
　HONGBIN「うそ(笑)」
　僕の冗談に、ボンボンと腕を叩く彼女の手のひら。
　HONGBIN「よし！」
　A「よし？」
　
　HONGBIN「手のひらゲット！(笑)」
　照れ隠しに僕はそう言いながら彼女の手のひらを掴まえてつないだ。
　
　A「・・・手をつなごうって言ってくれたら嬉しいのに」
　HONGBIN「そんな簡単に言えないよ(照)」
　A「ポケモンみたい、ゲットって・・・」
　HONGBIN「ポケモン(笑)あ、なんかAちゃんみたいなヤツいたなー」
　A「私みたいな？」
　
　HONGBIN「オコリンボ」
　
　A「ん？」
　HONGBIN「怒ってばっかり(笑)」
　彼女はつないだ手のひらを本気で離そうと揺らしている。
　A「ひっどいー」
　HONGBIN「ほら(笑)オコリンボゲット！(笑)」
　つないだままの手を彼女の頭の方に持ち上げた。
　A「泣きそう・・・」
　そう言われて彼女の顔を見たら、少しだけ目がウルウルしてきていた。
　
　HONGBIN「ホントにゴメン」
　そう言うと開いてた瞳を彼女はゆっくり閉じた。
　長いまつげの先が涙で濡れているのをゆっくり指で押さえた。
　Aちゃんの両頬に両手をゆっくり当ててみた。
　
　A「やだ」
　HONGBIN「え？あ、え？」
　彼女の唇に自然と引かれるようにキスをしようとしてた僕はあせった。
　心の中が読まれたのかなと思って慌てて両手を背中の後ろに隠した。
　
　A「また、タコゲットとか、言うの、やだ(困)」
　
　HOGNBIN「タ、タコ？(汗)」
　彼女は自分の両手で、自分の両頬をギュッと押さえてチュッとタコの口をした。
　A「タコ・・・」
　HONGBIN「え？」
　まさかの変顔に笑っていいのか笑ったらいけないのかわからず固まった僕。
　
　でも可愛い顔してて、そんなことしなさそうなのにするもんだから面白すぎて、
　あんまりのギャップに我慢できずに地面に膝をついて大笑いしてしまった。
　
　HONGBIN「アハハハ(爆笑)」
　A「笑い過ぎ・・・(困)」
　
　ー僕のキスは、まだまだ遠いのかな？(笑)




　

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