僕の中の奇跡。１ VIXX

021：彼女と僕のかけ引き。 ページ21

　抱きしめててすごい幸せだった。
　このままいたい僕とは対照的に彼女は少しずつ離れようとしている。
　ー「キスするんだろ？」映画館でウォンシクがいった言葉を思い出した。
　
　それが頭の中でグルグル回りだして、緊張してきた。

　HONGBIN「・・・」
　緊張感から僕はゆっくり腕を離して彼女を解放した。
　A「・・・」
　HONGBIN「べ、ベンチに座らない？」
　A「ベンチ？あ、朝の？」
　
　なんか急にぎこちなくなった２人の距離ー
　
　HONGBIN「行こう」
　A「うん」
　手をつなぐなんて、今朝から全然気合い入れずに自然とつなげていたのに…
　それすら、緊張してきた。
　
　歩きながら彼女の手のひらを見ては、思いとどまって・・・
　
　A「手に何かついてる？」
　彼女に手を見てることすらバレバレ。
　HONGBIN「ううん(苦笑)」
　
　A「あ！ハギョンさん！」
　彼女は振り返って僕の後ろを指差した。
　HONGBIN「え？！」
　僕は地面にしゃがんで頭を抱えた。さっきの抱きしめたの見られてた？(汗)
　HONGBIN「どこから見てるの？」
　
　A「うそ(笑)」
　
　HONGBIN「あー、まだいたのかってあせった！(笑)」
　彼女はそういうとケラケラ笑って僕から離れた。
　
　HONGBIN「そういうウソ嫌い・・・」
　ここは彼女の真似をして怒ったふりをしてみた。
　ゴメンね、って歩み寄ってきてくれたら、手をつなぐチャンス！
　
　A「・・・」
　
　彼女はしゃがんでる僕を、上からじーっと見つめてきた。
　よし！チャンス！(笑)
　
　A「男の子でも拗ねるんですね・・・」
　とサラリと笑わずにそう言って、振り返って先をトコトコ歩いて行く・・・。
　
　HONGBIN「え！待って！！」
　A「・・・(笑)」
　HONGBIN「あ！もう！怒ったのかって思った！！」
　彼女は僕の拗ねたフリを見抜いていて、笑っていた。
　
　A「競争！！」
　HONGBIN「え？」
　A「用意ードン！！」
　そういうと彼女はバタバタと走って目の前から遠ざかって行く。
　ーなんか僕は・・・もしかして遊ばれてる？

　HONGBIN「ま、待って！！」
　
　
　

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