僕の中の奇跡。１ VIXX

019：彼女の返事。 ページ19

「僕のこと好き？」って聞いたのにー
　彼女は後ろ向きのまま、振り返ろうともしないみたいで静止状態。
　え？聞くタイミング間違えた・・・かな？(汗)
　ホントに怒って帰ろうとしてた・・・とか。
　
　HONGBIN「ゴメン・・・、Aちゃん」
　僕は、ちょっと甘く思っていたかもしれない。
　「私も(笑)」とか彼女は笑顔で返事してくれると期待してた。
　
　Aちゃんは、ゆっくり体ごとこちらを向いた。
　彼女は両耳に手を当てていて、何もない顔をして僕の目を見た。
　
　A「ごめんなさい(笑)」
　彼女の口から、聞きたくなかった言葉がはっきり聞こえたー
　彼女の可愛い笑顔を守ろう、って思ってたのに笑顔で断られた。
　
　A「音楽聞いてた(笑)」
　HONGBIN「え？」
　そう言われてみたら、イヤホンを手で押さえているのかな？
　HONGBIN「音楽？(苦笑)」
　A「うん」
　HONGBIN「じゃあ、さっき僕が言ったこと聞こえてなかった？」
　A「どんなこと？」
　HONGBIN「あ、ううん。たいしたことじゃないから(苦笑)」
　
　とりあえず、断られたわけじゃないんだって思って安心した。
　僕は彼女に近づいて、両耳を押さえている手をゆっくり下ろした。
　胸の前まで下ろしたとき、彼女は両手をゆっくりひろげて見せてくれた。
　外したイヤホンがあるのかな、と思っていたのに手のひらには何もなくて…
　Aちゃんの視線は手のひらから僕の目に向いた。
　HONGBIN「・・・え？」
　A「え？(笑)」
　HONGBIN「え？イヤホンは？」
　A「今は持ってきてないよ(笑)」
　HONGBIN「え？音楽は？(汗)」
　A「聞いてなかったし、音楽を聞いてるふりをしてた(笑)」
　HONGBIN「え？！じゃあ、聞こえてたんだ！」
　A「僕のこと好き？って？(笑)」
　HONGBIN「あ！(照)」
　A「たいしたことじゃない・・・って」
　HONGBIN「あ、そういう意味じゃなくて〜」
　どうしていいのかわからずに、目の前にいる彼女を抱きしめていた。

　HONGBIN「ゴメン。僕のこと好きって聞くのが間違いだった」
　A「人が見てる・・・よ」
　HONGBIN「今だけこのままでいいから。僕はAちゃんが好きだから」
　A「・・・私も一緒にいて楽しいなって思った(笑)」
　HONGBIN「それって、僕のこと好き？」
　A「・・・２回目(笑)」
　HONGBIN「ちゃんと答えて(笑)」
　腕の中にいる彼女は、コクンとうなずいた。
　

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