隣の席のかっちゃん (ページ29)

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29.腸が煮えくり返っているページ29

食べごろである。(？)

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あれから、「爆豪勝己にキスされました」なんて誰にも言えず。

流れるように時間が過ぎて、気づけば翌日の午後になっていた。

計画されていた授業は急遽中止になり、自主訓練になった。みんなそれぞれ個性を使って自主的に活動している。

ちなみにあれから爆豪くんと喋ってない。

彼は何事も無かったかのように、いつも通りの涼しい顔で隣に座っていた。

なんともムカつく野郎だ。まさか無かったことにするつもりじゃあるめえな。

だからと言って「おい昨日のキッスは何だったんじゃボケが」と、わざわざ掘り起こす気にもなれない。

第一、私ばかりが意識しているようで大変腹が立つ。聞いたら負けな気がする。(めんどくさい)

中学からの付き合いだが乙女の純情を弄ぶタイプだとは思わなかった。

自分でも思っている以上にイライラしているようで、次々と炎を繰り出していく。

「ケロ、Aちゃん怒っているの？」

「怒ってない……」

「じゃあ落ち込んでいるの？」

梅雨ちゃんが大きな両手で私の顔を包み込んだ。

優しく訊ねられて思わず目が潤む。

「……わかんない」

「そんな顔すんなよ～～」

瀬呂くんが宥めるように笑った。

自分では怒っていると思っていたけれど、何故か迷子の子どものような扱いを受けていて解せない。

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(ちくしょう、殴りたいのはこっちだ)