16.氷結さん太郎(王子) ページ16
きっと彼のファンの団扇にはでかでかと「凍らせて♡」とでも書かれていることだろう。
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「……制限時間30分か…意外と長ぇな。
なぁ、A」
目の前の男の子は伏せられた睫毛が影を作りとんでもなく美形だ。
きめ細やかな肌に僅かながら霜が降りる。
きらきらと反射しながら彼の右手から生み出された氷もまた、美しい以外の語彙力を攫う。
とんでもねえ。何かのミュージックビデオみたいだ。
しかし見とれている場合ではなかった。
「ひ、こっ来ないで轟くん！」
はぁ、と実に色っぽい白い息を吐きながら近づいてくる轟くん。
あまりの恐怖に後ずさる私。美形の凄みめっちゃ怖い。
・
「と、轟くん、あのね」
「おう」
「これ以上使うと、炎のキャパが超えちゃうんだ」
私の個性は轟くんのようにハイブリッドではないし、エンデヴァーのように燃焼系として優れていない。容量制限などすぐに来てしまう。
だからもう少し待ってくれたら戦えるんだけど、どうかな？えへへ！と甘えたお願いしてみる。
「知ってる」
知っt………知ってるんだ。知っててやってるのか。王子様面してなかなかの悪魔だな、轟くん。
でも一部の人からは盛大な支持を集めそうだ。私も正直満更でもない。かっこいい。
「……そんな怯えた顔すんなよ」
「だって強個性のイケメン怖……何これ！？」
私の手首は轟くんの出した氷に包まれた。手錠のようなそれは、私は容疑者みたいに両手を前に出した状態で拘束させる。
繊細な技術と彼の隠された癖にびっくりだ！あと霜焼けでしにそうだ！
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(ザ！弱いものいじめwithカスガール)
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作者名：- | 作成日時：2017年8月15日 6時
