隣の席のかっちゃん (ページ27)

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27.ファーストキスは無糖コーヒーの味ページ27

せめて微糖であれ。

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「んー、これだ」

飲み物を選んで、ボタンを押す。ドコンッと鈍い音が鳴って、缶ジュースが落ちてきた。

タブを起こし、爽やかな音が鳴る。

飲みながらソファ向かうと、爆豪くんは大人しく座っていた。逃げられるかと思っていたが、本当に珍しいこともあるものだ。

買った炭酸水を飲まず、手で弄びながら待っててくれていた。忠犬みたいで可愛いな。

は？可愛くないわ。(情緒)

「おまたせ爆豪くん」

「…おお」

眠いのか、だいぶ素直だ。

…可愛いじゃねえかなんだこいつ。

こんな爆豪勝己見た事ねえぞ。アイデンティティ大丈夫か。

「また隣の席になってしまったことに対して何かコメントをどうぞ」

「殴りてえ」

「物騒」

呪いだね、と両手を前に突き出してお化けのポーズをしてみたら、爆豪くんに「馬鹿じゃねえの」と言われてしまった。

大人しくても毒舌は直らないんか。

というかその炭酸水いつ飲むつもりなんだ。

「炭酸水飲まないの？あ、これ飲む？」

「…んな甘ったるそうなの飲めるか」

「これ無糖だから大丈夫だよ」

甘いの苦手な爆豪くんでもいけるよ、と太鼓判を押すと、彼は缶を受け取った。

受け取って、＿＿＿＿＿＿

「え…？」

怖いくらい美しい、赤。

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(気づいたら、視界いっぱいに爆豪くんの顔がうつってた)