幸せとは ページ9
.
Shige side
赤「おっはよー！」
今日はTV収録3本録り。
朝早くから局入りして、夜までかかる仕事。
『おはよ、しげ』
黄「おはよ、朝から元気やな」
赤「おーおふたりさん、おはよ！安定やね！」
なにがやねん、と淳太がオレにツッコむけど、
この2人は前の仕事が押さない限りは誰よりも早く楽屋入りしている。
そして定位置は1人掛けのソファに2人ぴったりくっついて座っている。
…狭くないんかな、こいつら。
『しげ、昨日送ってくれた歌詞！めっちゃよかった』
赤「ほんま！？あれなかなか力作やねん！！」
『うん、やっぱりしげのワードセンス好き』
そういってふにゃっと笑うAはみんなが知ってる顔とは少し違う。
俺らにだけ、見せてくれる笑顔。
これはメンバーの特権や。
黄「なんや、次の歌はしげとAで考えてるん？」
『うん、しげがすごくいい詞を送ってくれたから、俺も頑張らないと』
そういうとAはイヤホンをつけ、持っていたギターで音を出し始めた。
これが始まると淳太はソファから離れ、テーブルに設置してある
パイプ椅子の方へ移動してくる。
赤「モード入ったな」
Aはモードに入ると、淳太以外の声に反応しなくなる。
だから俺らがどれだけやかましくしてても、気にせんと
そのまま楽屋で作業する。
…Aは、1人でいるのが、あまり得意じゃない。
理由は俺は知らんけど、淳太と照史は知ってる。
黄「…たぶんやけど、しげの顔みたかったんちゃう？」
赤「え？」
いつも会ってんのに？
黄「しげが書いた詞に歌を乗せるためにな。
奮い立たせたかったんやろな、自分を」
昨日ほとんど寝てないねん、と教えてくれた淳太。
赤「そっか」
俺がファンのみんなに魂込めて書いた歌詞。
それに音を乗せるA。
それをメンバー全員で、歌ってみんなへ届ける。
黄「幸せなことやな」
まるで俺の心を見透かしたかのように、
同じことをいった淳太の顔は、
赤「その顔、なんかムカつく！！！」
黄「なんでやねん！！」
そういっていつものように淳太にいたずらを仕掛ける。
幸せって、こういことやんな。
ああ、ほんとこの8人でよかった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 160人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぽんこつ | 作成日時：2022年1月11日 15時
