西の末っ子は真ん中出身【JW】 (ページ45)

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Ryusei side

マネージャーと相談して、みやちゃんは2日間の休養を取らせることが決まった。
本当はもっと長い期間休ませてあげたいけど、
ツアーが3週間後に迫ってることや、本人も納得しないだろうと考慮して、せめて2日という話になった。
1人だと絶対休まないので、淳太が目付役ということで。

みやちゃんが休みの間、残りのメンバーでこれからについて話し合った。
どうやってみやちゃんを支えていくか。
どうしたら彼の負担を減らせるか。

橙「まあ薄々気づいてると思うけど、あいつ頼るの下手…というか、甘えるのがヘタやねん」
紫「まあなんとなくわかるわ」
緑「みやから弱音とか聞いたことないもんな」
赤「ストイックやからな」
青「でた。しげのみやちゃんオタク」
赤「しゃーないやん！昔から憧れなんやもん！」
橙「ストイックというか、完璧じゃなきゃあかんって思ってしまうんよ」

そういった照史くんは悲しそうな表情を浮かべた。

緑「なんかあったん？」
橙「…よくある話なんやけどな」

そこで聞いた話は、確かにウチの事務所ではよくあることで。
みやちゃんが過去に所属したグループは、
もちろん脱退した人もおるけど、みんなデビューしていた。
そのデビュー時に、毎回みやちゃんだけ外されていたらしい。

橙「事務所側も悪気はなかったんやと思う。
　…けどそれがより一層Aを追い詰めることになった」
青「…純粋に実力不足だと考えた？」

そういうこと、と照史くんが続ける。

橙「東京から関西に来たこともまともに説明を受けてなかったからな。
　あいつの中で、”完璧じゃないとあかん”ってのが染み付いてるんやと思う。
　”…完璧じゃなきゃ、自分の存在意義はない。”
　Aが追い詰められたら絶対ゆうねん」
赤「…ッそんなわけないやんか！！」

照史くんの話を聞いてしげが声を荒げる。

赤「完璧じゃなくてええんやって、なんで言ってあげれんかったんや…
　Aは事務所に、大人たちに振り回されただけやん！！」
青「しげ落ち着け」
赤「なんでなん…なんでAだけが、こんな思いせなあかんねん…！」

しげは昔からみやちゃんに憧れて、ずっと見てきたからこそ
思うことがあるだろう。
悔しそうに顔を歪めるしげを宥める。

橙「…俺も、淳太くんもずっと言ってきたんやけどなぁ。
　こればっかりは治らんかったわ」

照史くんが悲しそうに笑う。

桃「…クソッ」

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