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次の日。
いつものように早めにレッスン室へ行くと、
そこには重岡さんの姿があった。
昨日の一件から、なんとなく気まずさを感じ、
ある程度人が来るまで、別のところで待機してようと思いレッスン室を出る。
赤「宮田くんッ！！」
『あっ…重岡さん…』
せっかく避けたにも関わらず、重岡さんは俺を追いかけてきた。
『あの、』
赤「昨日の話なんやけどさ」
俺が感じてる気まずさに気がついていないのか、
急に話し出す重岡さん。
俺のファンだと言う重岡さん。
昨日の話で幻滅しただろうか、
もう二度と見たくない、会いたくない、
関西から出てけ、そんなことをいわれるのだろうか。
少なからず、いい言葉はこないだろう。
そう思って身構えていると、
赤「俺、そんな簡単に諦めれんねん」
『え？』
何を言われるのか身構えてた俺にとって、
重岡さんの言葉は瞬時に理解できず、思わず聞き返す。
赤「俺は宮田くんがどんな思いをしてきたかはわからん。
けど俺にとって間違いなく君は憧れの人やねん！
これってさ、今まで宮田くんがやってきたことが、
間違ってなかった、っていう証明になるんやないかなって」
『証明…？』
そう、証明！と笑顔でいう重岡さんは、だから、と続ける。
赤「いくら経験を積んでも、それを自分のものにするには
尋常じゃないくらい大変だと思う。練習もたくさんせなあかんし、
練習だけじゃどうにもならないこともあったと思う。
その努力って、みんながみんなできるわけじゃないと思うねん」
俺はまだまだやけどな、と苦笑いする彼は続ける。
赤「宮田くんは、人に憧れを抱かせるくらいめっちゃ頑張ってる！
俺もやし、宮田くんのこと憧れてる子はめっちゃおんねんで！」
『いや、でも…』
重岡さんが言ってること、理解はできるけど、
自分がそんな風に評価されてることが信じられなくて。
そう狼狽えていると、ああもう！！と叫んだ彼は、
俺の両肩を掴んで、真っ直ぐな瞳をして、
赤「君がやってきたことは間違いない！間違っちゃいない！」
『……！！』
赤「もし違うと思うなら、これから目指せばええ。だからさ、」
赤「俺と、友達になってくれよ！一緒に目指そうぜ！」
そうやって言ったしげの顔を、俺は一生忘れることはないだろう。
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作者名：ぽんこつ | 作成日時：2022年1月11日 15時
