夏 ページ18
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平日は名古屋で過ごし、週末は関西へいく生活が数ヶ月続いた。
その間に俺は中学生になり、関西に来て一番初めに声をかけてくれた2人、
淳太くんと照史くんのグループ、『B.A.D』に加入することが決まり、
3人で行動することが増えた。
一方で、一部の関西Jr.からは疎まれていた。
そりゃ急に東京から来た奴が、実力ある2人とトリオを組んで、
前に出るようになったら、不快だろう。数少ないチャンスを、奪ったも同然だ。
物がなくなるのは日常茶飯事。
誰かに相談できるほど、俺は強くない。
そしてなにより、2人に迷惑かけたくない。
邪魔に、なりたくない。
『舞台？』
橙「そう！俺らの舞台や！！」
黄「正確には関西Jr.の舞台やけどな」
俺が試験で遅れて事務所へ到着すると、
テンションMAXの照史くんに肩を揺さぶられなが報告される。
橙「しかも俺ら！！座長やって！！」
『え、すごいじゃん！！！』
黄「ようやく俺らの時代がきたで！」
この2人の喜びようを見て、俺も嬉しくなる。
まだ出会って数ヶ月だけど、この2人は
すごく俺のことを可愛がってくれた。
そして関西でどれだけ頑張ってきたのかも、知っている。
『B.A.D』に加入するにあたって、俺なりに2人のことや関西Jr.について調べた。
東京がどれだけ恵まれた環境だったのかも、痛いほど感じた。
褒められたり、怒られたり、一緒にいろんなことたくさんやったなぁ…
そう思いながら、この関係もおわってしまうのか、と思うと、
少し、いやかなり寂しかった。
『頑張ってね、絶対見に行くから』
心から応援しよう、そう決めた。
黄「は？何言ってるん。Aも出るんやで？」
『え？』
橙「いやだから、俺ら3人で出るんやって！」
そう言いながら台本を渡され、受け取ると、
『…ほんとだ』
出演：【B.A.D】中間淳太、桐山照史、宮田A
その他関西Jr.
黄「俺ら以外はまだちゃんと決まってへんけど」
橙「横山くんが、めっちゃ考えてくれてんねん！」
『俺の、名前がある』
黄「当たり前やんけ」
その事実に、涙が出そうなのを堪える。
黄「なあ、A」
淳太くんが俺を呼ぶ。
黄「お前はもう、誰がなんと言おうが、関西Jr.やで」
橙「『B.A.D』はこの3人や、この3人で絶対デビューすんで！」
その言葉に俺は救われたんだ。
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作者名：ぽんこつ | 作成日時：2022年1月11日 15時
