10.諦めたくない ページ10
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Chifuyu Matsuno side
「で、帰ってきたと。」
「連絡先は一応、もらいましたけど………」
「へー、家まで行ったのにやってねーの？」
「ハァ！？！？何言ってるんですか、あんた！！！！」
「ごめんごめん、冗談だって。」
今日はペットショップは定休日。
そのため、一虎くんの家に来ている。場地さんも学校が終わり次第こっちに向かうそうだ。俺は先日、Aと会ったことで相談していた。
「俺、好きだって言おうとしたんですよ……なのに言わせてもくれなかった………」
「あいつなりに考えがあんだろ。」
「まともに働いてる俺とAじゃ住む世界が違うって、そう言ってました。」
「まぁな………キャバ嬢と付き合うってしんどいぞ？知らんけど」
「俺と付き合うんなら辞めさせますよ！！！」
「あ、そっか。」
もう一緒にはいられない………ってことは、俺拒絶されたんだよな。振られたのか、キッツ。住む世界が違うって、昼職と夜職だからってことか？それとも、Aのことだからおっさんの相手してる自分は汚らわしいとでも思ってんのか？
ありえそうだ。
「振られて、そうですかって帰ってきて、諦めんの？」
「いやそういう訳じゃ………」
「そういうことだろ、千冬の言ってることは。あーゆー頑固者には積極的にガツガツいったほうがいいんだよ。」
「俺は、Aのこと……諦めたくないです。この程度のことで諦められねぇ。」
「まぁお前はとりあえず、連絡する所から始めろよ。連絡先もらったら普通すぐ連絡するだろ。ウブかよ、高校生？？？」
「ウッ……！」
ご最もすぎて言い返せねぇ。
けどこちとら、恋愛経験ないんだよ！！なんて連絡したらいいか分かんねぇんだわ！！(逆ギレ)
「しょうがねぇやつだな。携帯貸せ。」
「え！？ちょ、は！？何送る気ですか！！！」
「これでOKだろ。」
既に送信済みのソレは、
昨日は時間とってくれてありがとう。
また会いてぇんだけど、次いつ会える？
というものだった。そんなストレートな言葉、たぶん俺なら送れなかった。つか、一虎くん意外とそういうのちゃんと考えてくれるんだな。ふざけて送るかと思った。
ピロン
「え！？もう返ってきた！！」
「お、なんて！？」
いーえ、久しぶりに千冬に会えてよかったよ。
週末なら空いてるけどどう？
「脈アリアリじゃね？これ」
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作者名：ゆ | 作成日時：2023年9月29日 21時
