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5.彼女のイマ ページ5

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Chifuyu Matsuno side




一虎くんと場地さんと3人で家に向かう道中、沈黙だった。それも仕方のないこと、俺がイライラオーラを放っているから一虎くんもいつものようにおちゃらけて話す空気ではないと悟ったのだろう。場地さんは普段から自分から話すタイプではないし、聞き手側だから。



ガチャ



「お茶でいいか?」

「そんなのいいから!!早く説明!!」

「千冬、落ち着け。」

「………場地さん、でも俺、」

「何も知らなかったお前がイラつくのは無理もねぇよ。でも一虎を責めんのは違ぇだろ。」

「はい……すみません一虎くん、取り乱しました。」

「いやいいよ。じゃあ話すけど、Aのこと本当に好きなら酷な話かもしれねぇぞ。それでも聞きたいか?」

「はい。」



あいつのことが好きなら酷な話。水商売の時点でそれは察していた。



「Aは千冬と別れてから荒れてたんだよ。高校入ったはいいものの、未成年飲酒するわ、タバコ吸うわで何度も停学になって卒業も本当にギリギリだったらしい。」

「え………」

「マジか、そんな話初めて聞いたわ。」

「で、これは俺も最近聞いた話だけど、卒業してからキャバ嬢やってるらしくてよ。」

「キャバ!?」

「そ。客に酒作って、自分も飲んで、知らねぇおっさんに愛想振りまく仕事。あいつ顔はいいし喋りもうまいからすぐNo.1になって、……その、枕もするって、」

「枕、って……は……??それ、おっさんとやってるってことですか」

「そういうことになるな。そんな危ねぇ仕事やめろって前に言ったんだけど、まだやってるとは思ってなかった。黙っててごめんな。」



一虎くんが謝ることではない。そう言いたいのに、俺には衝撃的な内容すぎて声が出なかった。



「あいつ、なんでそんな所で働いてんだ?」

「さぁ……そこまでは知らねぇけど、寂しかったんじゃね?A、親に捨てられて、引き取られた親戚にも優しくされなかったっつってたし。誰かに愛されたいってガキの頃もよく言ってたろ。」

「そんなこと言ってたか?」

「っ…………!」



俺が突き放したりしなければ。

俺は今でもお前のことが好きで、愛せる自信があるのに。全部……俺のせいだ。Aを傷付けた。





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設定タグ:東京リベンジャーズ , 松野千冬 , 羽宮一虎   
作品ジャンル:恋愛
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作者名: | 作成日時:2023年9月29日 21時

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