20.緊張 ページ20
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ガチャ
まだ怒ってるのかな。俯いていて分からない。
せっかくこうして千冬と付き合えたのに、喧嘩なんてしたくない。いやこれは私が悪い。よく考えればわかることだった。彼氏でもない男の家に上がり込むなんて、それも二人きりで。私何してるんだろう………千冬を怒らせたかったわけでも、悲しませたかったわけでもないのに。
そんなことを考えているとじわりと涙で視界が滲んだ。すると、突然後ろから千冬に抱きしめられた。
『千冬……？』
「さっきは怒ってごめん。あれで分かったろ、俺結構嫉妬すんの。Aは一虎くんだから大丈夫だって思ってたのかもしれねーけど、お前が他の男と二人きりでいるのは嫌だった。」
『私の方こそ、千冬の気持ち考えずにごめんね。軽率な行動だったよね。』
「俺のこと嫌いになってねぇ？」
『なんで？ならないよ』
さっきの気迫はどこへやら。今は怒られた犬のようにしゅんと耳が垂れ下がったかのようだった。私が千冬を嫌うわけないのに。
「一虎くんに何相談したの、不安にさせた？」
『……千冬ってさ、私とえっちしたいって思わないの？』
「………………え、」
『ずっと考えてたの。付き合ってから何ヶ月か経つけど、一向に手出してこないじゃん。私が汚い身体だからなのかなとか』
「そんなわけねーだろ！！」
『っ、』
「いやごめん、でも違う。本当はAが可愛すぎて興奮したこと何度もあるし、シたいって思わなかったわけじゃねぇ。でも………」
『童貞だから緊張しちゃうとか？』
「な………っ、う、まぁそうだよ。」
『だったら私がリードしてあげる。だからえっちしようよ。』
行為をすることに恥なんて捨てていた。本当に好きな人とスるのは初めてで、本命処女ってこういうことかと思い知った。でもリードしてあげると言った手前、緊張して出来ないなんて今更言えない。
『ん……っ、ふ、』
「Aごめん、俺も動きたい」
『いいよ、好きなようにして』
「は………っ、く、そ、気持ちい……っ、」
『ぁ、やっ、ま、って、』
「ごめ、むり、腰止まんねー」
こんなに気持ちいの初めてだった。腰使いが上手すぎて千冬が本当に初めてなのか、少し疑ったくらいだ。好きな人とするのってこんなに幸せなんだ。
『千冬、すき』
「っ、煽んな……！！」
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続く (更新停止中)
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作者名：ゆ | 作成日時：2023年9月29日 21時
