17.歴代の男 ページ17
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Chifuyu Matsuno side
7年振りに再開して、俺はAとまた付き合うことが出来た。これでダメなら諦めて一生独身か、なんて考えていた。彼女が俺に頷いてくれたのが心底嬉しい。
「キャバ辞めるよな？」
『当たり前でしょ、千冬と付き合ったんだし。』
「いやなんか他にもキャバ続けてる理由、あったんかなって思って。」
『ないよ。まぁ店には多少止められるだろうけど、もう続ける理由はないから。千冬がいたら寂しくないもん。』
なんっっっだそれ、可愛すぎるだろ。俺がいたら寂しくないもんって………ため息出そうだわ。
『………ねぇ千冬、』
「ん？」
『今日は、その、し、シないの？』
「は」
数秒意味を考えた。シないのっつーことは、そういうことだよな。な、なななんでそんなこと聞いてくんだ！？シたいってことか！？恋愛経験のねぇ俺じゃ何も分からず、顔を真っ赤にしたAを前に同じように顔を赤くすることしかできなかった。
「し、シねぇよまだ。身体目的だと思われんの嫌だし。」
『そんなの思わないよ。千冬が誠実な人なのは私が一番よく知ってるし。』
「………Aは、俺とシてぇの？」
『え！？い、いや……えっと、逆に千冬はシたくないの！？』
「そりゃあ、シたいかシたくないかで聞かれたらシてぇよ。でも付き合ったばっかなんだし、そんな急がなくてもいいんじゃね？」
『確かに、それもそうだね。』
正確には俺に心の準備がまだっつーだけだけど。だって数年ぶりに再会して、また付き合えるとか正直思ってなかったし。こんな可愛くなってるんだぜ。どうせ俺がまだ童貞だなんて思ってもなさそうだし。Aの方が経験豊富なの、ムカつく。俺より先にこいつの身体見た男がいるってことだろ。あ、イライラしてきた。
「なぁ、俺と別れたあとに付き合ったやつとかいたの？」
『………まぁ。でも大体続かなくてすぐに別れたよ。そういう千冬は？かっこよくなったしモテるでしょ？』
「俺はお前と別れて付き合った女なんていねーよ。家に入れた女も、Aが初めてだよ。」
『え？本当に？』
「それくらい、Aのこと忘れらんなかったんだわ。」
『そっか。』
「嬉しそうな顔すんな。俺はムカついてるからな、他の男と付き合ってたんだろ。」
『過去のこととかどうでもよくない？私は今、千冬のことしか見てないんだから。』
「っ………ん、」
昔から、Aは俺より何枚も上手だ。
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作者名：ゆ | 作成日時：2023年9月29日 21時
