検索窓
今日:18 hit、昨日:1 hit、合計:11,959 hit

16.復縁 ページ16

.




『もし今の仕事を辞めて、千冬の所に行って………その後は?また別れることになったら、私はもう行くべき場所がどこにもない。千冬がいなきゃ生きていけなくなる。』

「悪いけど、それが目的。」

『え?』

「Aとまた付き合えることになれたら、俺はもう今度こそ別れるつもりはねーよ。俺なしで生きていけなくなればいい、俺を必要としてほしいんだよ。」

『そんなの分かんないじゃん……っ、だって私たち一度は別れたんだよ?付き合わずに幼なじみのままでいれば、ずっと一緒だったのかもって何度も考えた。終わりが来るくらいなら……!初めから、付き合いたくない………』

「だったら誓ってやる。一生Aを離さねぇって。」

『一生、なんて………』


一度別れたことが私の中で相当トラウマになっているらしく、なかなか千冬に頷くことができなかった。そんなめんどくさい私の心をひとつひとつ、丁寧に、彼は溶かしていってくれたんだ。


「Aは自分のこと重いって言うけど、本当は俺も重いんだよ。お前が俺じゃない他の男と仲良くしてると嫌だし、誰とどこ行くのか気になるし、好きだって言うのは俺だけがいい。かっこ悪いから言わなかっただけでずっと思ってたことだ。」

『え………』

「こんな俺を知って、引いたか?」

『引いてない!!初めて知ったことだからびっくりしただけで………』

「俺だって引かねーよ。もうあんな思いはしたくねぇ、俺の手を取るって言うなら覚悟しろよ。」

『………千冬、』


ずっと好きだった。小さい頃からずっと、私が辛い時に必ず駆けつけてくれる千冬は私のヒーローみたいな存在で。あの頃はまだまだ子どもだった私たちは、一度別れてしまったけれど………もう一度、信じてみてもいいのかもしれない。千冬なら、いや千冬だから。


『好きだよ。私でよければ隣にいさせて?』

「っ………!!マ、ジで……!?」

『大マジ。』

「〜〜〜っ、おれも、俺も好き。大好き。絶対もう離さねぇから!!!」



誰と付き合ったって感じなかった幸福感が今、溢れている。やっぱり私は千冬と一緒じゃなきゃ嫌だ。この人が好きなんだ。





.

17.歴代の男→←15.千冬のお家



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (25 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
111人がお気に入り
設定タグ:東京リベンジャーズ , 松野千冬 , 羽宮一虎   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2023年9月29日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。