Drowning in you-39 ページ41
.
水をかけ合う、という遊びを始めて数分。
意外にもすぐに飽きてしまい、
どちらからともなく水から離れた。
私は砂浜に座り込み、
京治くんは私の前に立っている。
ここの砂浜は手入れでもされているのだろうか。
思ってたよりも結構綺麗だ。
流石にトレーニングやビーチバレーは出来なさそうだけど、
座るくらいなら特に問題はなさそう。
座り込んで、私はふう、と一つため息。
こんなにはしゃぐのは久しぶりだったし、
水を使っているのでいつもの3倍くらい疲れた。
3倍……いや、4倍くらいかも。
『疲れたー』
「水かけ合うとか久しぶり」
『私も。小さい時以来かな』
俺もそれくらい、と笑いが混じった声で言った京治くん。
私がかけた水のせいで、
ところどころ服が濡れている。
髪も少し濡れていて、
なんというか、色っぽい。
同級生とは思えない、色気が感じられる。
……かっこいいなぁ。
「A？」
『あっ、え、なに？』
「いや、ぼーっとしてたから」
『なんでもないよ、ごめんね』
「そう？」
京治くんに見蕩れてました。
……なんて、本人に言えるわけがない。
そんなこと言える勇気があるなら
とっくの昔に好きだと伝えている。
私は弱虫だから、
気持ちを伝えることも出来ていなくて。
何も出来ない意気地無しの自分に腹が立つ。
「にしても、ここ綺麗だね」
『来年は泳ぎに来ようかなあ』
「受験生だよ」
『……聞いてない』
一昨年、中３の夏はかなり勉強したものだ。
元々頭は良くないから
私立を狙って、無事梟谷に入学したのだが。
梟谷も結構偏差値高いから、
一昨年の夏は遊ぶ暇もなく勉強してたっけ。
……そんな夏がまた来ると思うと嫌だな。
…………今年の夏が最後だ、と言われてるみたいで
私は焦りを覚えた。
『こうやってバカやれるのも最後かー』
「……そうかもね」
『なんか、寂しいね』
悲しげに言う。
京治くんもどこか寂しそうな声で。
私はふっと、寂しく小さく笑うしかなかった。
.
Drowning in you-40→←Drowning in you-38
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーカラー
あずきいろ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 98人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちゃか.(プロフ) - サキさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけてすごく嬉しいです…！私自身も書きながらきゅんきゅんしてました！(笑) (2017年12月30日 18時) (
レス) id: 913905f81a (このIDを非表示/違反報告)
サキ - もうキュンキュンし過ぎてやばいです。すごく良かったです！ (2017年12月30日 1時) (レス) id: 039bdc96e3 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃか@気高き薔薇の女王(プロフ) - 弥緒さん» コメントありがとうございます！そう言っていただき嬉しいです。そうなんですね…。やっぱり恋って複雑ですよね(汗) 更新頑張ります…！ (2017年8月20日 17時) (レス) id: 913905f81a (このIDを非表示/違反報告)
弥緒 - なーんて！夢主ちゃんには幸せになってほしい！告白したわけじゃないけど、きまずくなっちゃった。更新がんばれー！！ (2017年8月18日 15時) (レス) id: d9d423301a (このIDを非表示/違反報告)
弥緒 - きゅんきゅんする！私も好きな人がいて、祭りのとき告白しよう思ったんやけど隣にいた子に邪魔されたんよ。 もう少しだけ好きでいたかったなぁ。 (2017年8月18日 15時) (レス) id: d9d423301a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
