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ガタカタガタッ、と痛そうな音がする。
でもそんなことより今は、なんでジェルくんが倒れちゃったのか、で頭がいっぱい。
「ジェルくんっ…!」
今まさに、倒れたジェルくんの顔面は蒼白で
唇もなんか変な色をしてて、
目が虚ろ…っていうか、ほぼ開いてないから目が合わない。
まぶたが震えてる。
駆け寄ると、ジェルくんは今まで聞いたことないくらい弱々しい声で、
「っ、るぅちゃ……、」
と僕の名前を呼んだ。
「うん、」
突然すぎてアワアワしながらも、なるべく落ち着いた声で返事をする。
「…ごめん、なんかめっちゃきもちわるい…っ」
「……!」
こんな、ジェルくんが具合悪くて頼ってきたのが初めてで、
こんな素直に言ってくるってことは本当にやばい。
やばい。
…とにかくベッド……はないから、ソファーに寝かせてあげなきゃ。
そう思ってジェルくんの手をとると、ものすごく冷たくて。
そういえばジェルくん、低血圧だって言ってたな……
そっか、貧血か……!
「ジェルくんちょっと待っててね、あったかい飲み物とってくるから」
ジェルくんをソファーに寝かせて、ありったけのブランケットをかけて、ドタバタと給湯室に走った。
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「……ん、はぁ……、はぁ…」
ココアを持って戻ると、ギュッと目をつぶって苦しそうにしてるジェルくん。
倒れてた時よりマシだけど、やっぱり顔が真っ白……
「ジェルくん、ココア持ってきた。あったまるから…飲める?」
そばにしゃがんで冷たい手をとり握る。
そしたらジェルくんがゆっくり目を開けて、「うん」って言ってくれたから、
そーっと優しく抱き起こして、一緒にマグカップを持ってココアを飲ませた。
「…んっ、…んっく」
唇もまだ紫で、プルプルしてて、こぼさないか心配だったけど…
「…ジェルくん飲めてる?」
「うん」
「よかった…おいしい?」
「おいし…」
なんとか飲んでくれて。
まだ頭痛そうにしてたから、
おなかが落ち着いてきたであろう頃を見計らって、またゆっくり寝かせてあげた。
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はるかみりり - 頑張ってください!! (2021年5月16日 15時) (レス) id: 00cf1a12b6 (このIDを非表示/違反報告)
桃 - とても面白かったです!!ゆっくりでいいので頑張ってください!! (2021年4月18日 20時) (レス) id: 528445d801 (このIDを非表示/違反報告)
あーや(プロフ) - お久しぶりです!また更新してくださるのうれしいです!無理せず頑張ってくださいね! (2021年3月16日 7時) (レス) id: f05c60f734 (このIDを非表示/違反報告)
暗黒(プロフ) - お久しぶりです!続編おめでとうございます。とても嬉しいです!! (2020年10月21日 23時) (レス) id: 479c486fba (このIDを非表示/違反報告)
ソラ(プロフ) - ユメさん» ユメさん、初コメありがとうございます!橙さんメインで書いている話数についておっしゃっていただいたのは初めてなのでとても嬉しいです(´;ω;`)マイペースですが頑張ります!またお時間あるときにお立ち寄りいただけたら幸いです(*^^*) (2020年10月17日 12時) (レス) id: 123309117d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ソラ | 作成日時:2020年10月10日 15時