３２話 ページ32
「…何ですか、これ…」
「君のワンピースだよ？」
次の日の朝、長官と出会って早々「そこにある箱を開けてみなさい」と言われた。
言われた通り開けてみると、薄黄色のワンピースが入っていたのである。
「長官……これ、私にですか…」
「君しかいないよ。君にこれを着て欲しくて選んできたんだ」
「いつの間に…」
本当に行動が早いなリーリウム長官…
「気に入ったかい？」
「…本当に頂いて宜しいのですか？」
尋ねると長官は可笑しそうに笑った。
「駄目な理由がある訳ないじゃないか」
「……それでは大切に着させて頂きます…！」
「…今試着してみてくれないか？サイズ合うか分からないからね」
「えっ、ちょっと…！」
言われるがままに更衣室に連れていかれ、「着替え終わったら呼んでくれ」と言われた。
「………」
心臓がバクバクいっている。
ドアの向こうにはすぐリーリウム長官がいる。
いつも仕事で顔を合わせているのに、妙に緊張した。
緊張して出られないからと言って、着替えない訳にはいかない。
それにリーリウム長官にも怪しまれる。
「……わ……」
素早く着替えると、自分でも驚くくらいに胸のあいたワンピース。
これ外に着て行って大丈夫な格好なのだろうか…
「ちょ、長官……」
「サイズが合わなかったかね？」
「い、いえ……」
ドアから顔だけ出すとリーリウムは不思議そうな顔をしてこちらへ歩み寄ってきた。
「今はここに私達2人しかいないのに何故隠す必要がある？」
「ちょ、長官…！きゃ…！」
グイッと腕を引っ張られると、そのまま体勢を崩してリーリウム長官の腕の中に収まってしまった。
「ちょ、長官…」
「とても似合っているよ。化粧と髪を整えたらもっと綺麗になるだろう」
「あ、ありがとうございます……あの、腕を離して貰えませんか…」
そう言っても長官は離す気などないようだった。
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瑠彩 - 蓮さん» こちらこそいつも読んで下さりありがとうございます！すごく励みになります…！どんどん書き進めていこうと思っているのでこれからも宜しくお願いします…！ (2017年3月28日 8時) (
レス) id: 7c6aff2c3a (このIDを非表示/違反報告)
蓮(プロフ) - はじめまして！いつもこの小説を楽しく読ませていただいてます！瑠彩さんのかくリーリウム長官がとても好きです！これからも更新がんばってください！ (2017年3月27日 19時) (レス) id: 1f43372f2c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑠彩 | 作成日時：2017年3月23日 17時
