JWの短編さん 5 (ページ15)

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桃×夢を抱きしめて (※) ページ15

午前2時待ち合わせの時間

先程から少しずつ降ってきた

暑かったものの車の窓を閉める

そして、眩しい光と共に一台の車が隣に止まる

中の人が俺の車に入り込んで、ごめんと言った

「大丈夫。それよりも照史くんは大丈夫？」

橙「いつも通り。」

彼は元気にニコッとピースをしながら笑った

俺と照史くんは、アルバイトと常連さんの関係

居酒屋やけど、照史くんは俺のバイトの日に毎日来てくれる

最初は仕事の愚痴から世間話に、好きなお酒、車の話に、今では大学の勉強も教えてくれる

実際、仕事も何をしているのかよく分かっていないけど、頭が良くてお酒と車が好きで、あとは家族がいる事を知っている

前、助手席のダッシュボードに家族写真を見つけた

橙「実は嫁と幼い娘がおるんやけど、望くんとお話しするのが楽しくて、深夜でも会いに来てまう。」

「… 僕も楽しいです。」

橙「嬉しい」

そのあと、優しい笑顔で頭を撫でてくれたっけ

長く付き合ってた彼女に騙されて完全に冷え切った心を温めてくれた

あの頃から俺はどんどんと照史くんに盲目になり、落ちていった

「…んっ、照史くん、ねえ、俺と家族 …どちらが大事？」

絶対にしてはいけない質問ていうことも分かってた

けど、俺の人生には照史くんが必要

橙「な、なんで … 今 …？あっ、待って… んんっ …」

「はよ、言うて？ …俺が、大切って。ねえ、好きやって…、愛してるって …」

橙「あっ… あかん、うぅん …！ … はあ、はあ … 」

疲れ果てた照史くんはいつもここで寝ちゃう

だから、身体中にキスを落としてから今だけ言える言葉

「愛してる …」

それを言い残して浴室へ向かう