ドストエフスキー その2*sofaradore ページ10
……ぼくの考えは可笑しいだろうか。
否、普通だろう。
「恋人の無事を願うのは普通のことですよ。いつもAは一生懸命ですから、突撃して怪我とかしそうですし」
「ぐぬっ……否定出来ない」
事実、今まで何回もそんなことがあった。……否定できるようになって欲しい。
「で、でも皆の足手まといになるなんて、鼠失格……」
「本国で情報提供などするのも、重要な仕事です。それに……本当はAは戦闘より情報収集の方が得意でしょう?」
よく戦闘しているが、本来ならAは情報員である。本職を忘れてもらっては困る。
「……そうだけど……私もフョードルのこと心配だよ……」
「ぼくのことなら大丈夫です。作戦立案を誰がやってると思ってるんですか?」
作戦立案はぼくの仕事。甘い作戦なんてたてる訳ない。
「それと、心配になるのは別なのっ!」
Aに子供のように文句を告げられた。
「ったく……仕方無いですね。なら……」
ぼくはその場にひざまづくと彼女の左手を自分の両手でとる。
「フョードル……?」
Aが不思議そうな顔になるが、気にしない。
「……貴女を心配させないよう、誓います。一生、貴女のことを守ります。だから……無事に帰ってきます」
彼女の瞳を真っ直ぐ見つめて云う。
「フョードル……」
「まだ信じられませんか……? ならば約束の印を差し上げますよ」
そして彼女の左手の薬指に……キラリと銀色に輝く指環を嵌めた。
「……えっ、これって……」
彼女の表情が驚きのものへと変わっていく。
「ええ。婚約指環ですよ。ずっと渡しそびれて居ましたから」
そう云いながら立ち上がり、彼女の頬に軽くキスする。彼女の顔は一瞬で赤くなった。
「……フョードル……
……大好きっ!」
Aが急に抱きついて来た。勿論、ぼくも抱き締め返す。
「ええ……ぼくもですよ」
……これは絶対に無事に帰って来なければ。
この幸せは掴まない訳にはいかないから。
Aの笑顔の為にも、もう一度深く決意した。
♯♯♯♯♯
長くなって申し訳ありません……。
前回は字数の関係でご挨拶が出来ませんでしたが……いかがでしたでしょうか?
書き直しなども受け付けております。
最後に椿様、リクエスト本当にありがとうございました!
太宰 治(学パロ)*森 黄花→←ドストエフスキー*sofaradore
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sofaradore(プロフ) - 桜紅葉さん» コメント遅くなり、すみません!同意していただき、嬉しいです。乱与、いいですよね! (2018年3月10日 21時) (レス) id: 5b197621d5 (このIDを非表示/違反報告)
桜紅葉 - 乱与に激しく賛成 (2017年12月18日 16時) (レス) id: cb286118d1 (このIDを非表示/違反報告)
闇天龍エリュシュオン(プロフ) - ありがとうございます!! (2017年9月12日 22時) (レス) id: dd884d7d02 (このIDを非表示/違反報告)
龍神邪炎@鬱気味無気力猫(プロフ) - 闇天龍エリュシュオンさん» 分かりました!では、書かせてもらいます(`・ω・)b (2017年9月12日 22時) (レス) id: 8839339b34 (このIDを非表示/違反報告)
闇天龍エリュシュオン(プロフ) - 国木田くん可愛いぃ! あのよかったらですがもっとツンデレ乱歩さんみたいです!! (2017年9月12日 22時) (レス) id: dd884d7d02 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:龍神邪炎&sofaradore&森 黄花 x他2人 | 作者ホームページ:なし
作成日時:2017年6月15日 19時