国木田独歩*sofaradore ページ6
「……っ、あの包帯無駄遣い装置のせいで、俺の理想が……」
また太宰が仕事をサボり、行方知れずとなった。……おかげで、俺が太宰の分まで仕事をせねばならなくなったではないか。……彼奴、後で死なない程度に締める。
と云っても、悪いことばかりではないのだが。
それは……
「……国木田さん、私も一緒に頑張りますから、何とかして今日中に終わらせましょ?」
「嗚呼、そうだなA……」
Aと、二人っきりで仕事が出来ること。
……実は、俺はAに好意を抱いている。真っ直ぐなAの姿に、気付いたら惚れてしまっていたのだ。
……公私混同は避けるべきだと思っているが……少しだけ嬉しくなる位なら、別に構わないだろう?
「よし、十二時までに終わらせるぞ」
「はいっ!」
Aの元気な返事を合図に俺たちは仕事に取り掛かった。
*****
「ようやく終わったな……十二時ぴったりか。A、お前のおかげだ……」
「…………」
「……寝てるのか」
……どうやらAは疲れて、寝入ってしまったようだ。軽く肩をつついても起きない。
それにしても……Aの寝顔は本当に愛らしい。普段も勿論可愛いと思うが、無防備に眠りこける姿は天使と云っても過言ではないと思う。
……少しだけ、悪戯心が働いた。
俺はAの髪を一房、そっと持ち上げると、そこに軽く接吻した。
そして小さく呟く。
「……好きだぞ、A」
……突然、Aが身じろぎした。気づかれてしまったか……?
しかし不安は杞憂だったようで、彼女はまだ、ぐっすり眠っていた。
さて……Aをどうしようか。こんな気持ち良さそうな顔では、起こすのも忍びない。一人、探偵社に残すのも不安だし……。
……そうだ。
俺は彼女が起きないようにゆっくりと彼女を姫抱きして、医務室のベッドに寝かせた。
俺は……Aを一人残して帰るわけにもいかん。……明日の分の仕事でもやっておくか。
俺はデスクに座り、大きく伸びをすると、再び仕事に取り掛かった。
*****
「……国木田さんの馬鹿……」
Aは自分以外誰もいない医務室で、顔を恥ずかしさで真っ赤に染めて、呟いた。
……実はA、国木田が髪を持ち上げた際には、もう起きていたのだが……国木田に突然に告白紛いのことをされ、起きるタイミングを逸した。
だが……
「……期待してもいいのかな」
後に、この二人が付き合うことになるのは、また別のお話。
22人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
sofaradore(プロフ) - 桜紅葉さん» コメント遅くなり、すみません!同意していただき、嬉しいです。乱与、いいですよね! (2018年3月10日 21時) (レス) id: 5b197621d5 (このIDを非表示/違反報告)
桜紅葉 - 乱与に激しく賛成 (2017年12月18日 16時) (レス) id: cb286118d1 (このIDを非表示/違反報告)
闇天龍エリュシュオン(プロフ) - ありがとうございます!! (2017年9月12日 22時) (レス) id: dd884d7d02 (このIDを非表示/違反報告)
龍神邪炎@鬱気味無気力猫(プロフ) - 闇天龍エリュシュオンさん» 分かりました!では、書かせてもらいます(`・ω・)b (2017年9月12日 22時) (レス) id: 8839339b34 (このIDを非表示/違反報告)
闇天龍エリュシュオン(プロフ) - 国木田くん可愛いぃ! あのよかったらですがもっとツンデレ乱歩さんみたいです!! (2017年9月12日 22時) (レス) id: dd884d7d02 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:龍神邪炎&sofaradore&森 黄花 x他2人 | 作者ホームページ:なし
作成日時:2017年6月15日 19時