＊1 ページ1
来れないだろうなと諦めていたが、
仕事終わりに直行したらなんとか来ることができた。
かと言って誰に会いたいというわけではないが、
高校の同窓会なんてなかなか来られないから
何だかんだ楽しみだったりもする。
当時仲がよかった奴らと合流し、
ほとんど飲めない酒を持て余しながら、
昔話に花を咲かせた。
そんなとき、
「あれ？崇裕？」
半分酔ったような女の声が聞こえ振り返ると、
すぐ近くになんとなく見覚えのある女が立っていた。
「なつかしー！これ、私の元彼。
私がちゃんと振ったもん」
そう言われてようやく思い出す。
嗚呼、花か。
高校生のころ確かに付き合っていた彼女は、
自分から告白してきておいて、
俺がちゃんと向き合い始めた頃に
別れを切り出してきた。
こういう奴おんねんな。
芸能人と付き合ってました 的な。
面倒に思えて苦笑いをすると、
隣にいた女の子が花の腕を引いた。
「分かった分かった。
その話は何回も聞いたから」
その子の声に周りでは笑いが起きる。
「A、花のおかんかよ笑」
この子、Aって言うんや。
そんな子おったかな…。
「�霤弔�んごめんね？」
眉毛を下げて申し訳なさそうに
こちらを見つめてくる。
あかん、一向に思い出せへん。
まあ、ちゃうクラスの奴って
ほとんど関わりないしな。
「気にせんでええよ？
自分悪ないやろ？」
白い肌に水色のパーティードレス。
アップにして巻かれた髪の毛。
優しい声。
困り顔。
正直、完全にタイプです。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 76人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ハル | 作成日時：2018年2月9日 22時
