重岡くんとダイキ【赤】 (ページ43)

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「っあーあ！あの時あいつにお前の話せんかったらよかった！

そしたら今頃、俺だけがお前と付き合えてたかも知れへんのに、クソ！」

ズボンのポケットに手を入れて悪態をつくダイキ。

こんな裏話聞いて恥ずかしがらない人がいるなら出てきて欲しい。

「お？あれ？照れてんの？」

『も、うるさい』

「おーいイチャイチャすんなって！」

「『してない(へん)わ！！』」

ヒューヒューなんて言われていじられる。

「カメラ持ってきたから撮るぞー！」

机を後ろに下げて、デコレーションされた黒板を背にして並ぶ。

だいたいこういうのって男女が分かれて並ぶよね。

「カップルは真ん中な！」

…って思ったんだけどなー

カヤノにぐいぐい押されて真ん中に来ると、

向こうも神山くんに押されて隣に来てた。

目が合ってどちらからともなく目をそらすと、

またフウーー！ってあおられる。

「もう、ほらいいから！撮るぞー」

先生が呼びかけるので、前を向く。

もう何してもあおられるなぁなんて思いながら

ピースすると、

「A、これからもよろしくな」

『うん、…こちらこそよろしくね』

「……俺を助けてくれてありがとう」

ダイキが返した言葉の意味は、わかるようでわからないような気がしたけど、

隣を見ると、今まで見たことないくらい優しい表情で笑ってたから

私にはわからなくていいんだろうなって思った。