重岡くんとダイキ【赤】 (ページ30)

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中学の時、俺はかなり人気者で

その分周りのやつらに気を遣う生活が普通やった。

周りにずっと誰かがいる分、

自分の時間がだんだん取れなくなって、

そっとして欲しい時、1人になれない時が増えた。

そんな抑えられない自分があいつになって現れたんやと思う。

やから、俺はずっと意識はあるねんけど、

俺の人格の時はあいつは眠ってる。

『…じゃあ今の重岡くんが、基本の人格だったってこと？』

「そういうことやな。

ま、今となっては基本があいつみたいなもんやけどな」

へへっなんて笑ってみるけど、

Aは眉を下げたまんま。

「んなシケた面すんなや」

ほっぺをぐにぐに引っ張ってみると、んんー！って嫌がるA。

そういう顔してもかわいいな。

…こんな風に思えるのも惚れた弱みやな。

「つかさ、重岡くん重岡くんて堅苦しいし、俺かあいつかややこしいし、

俺のことはダイキって呼んで」

『！？っそんなの、恥ずかしくて無理無理…！』

「ほらはーやーくー！

もう呼んでくれるまで俺動きませーん。

あーあAのせいで今日の体育祭の主役来やんかったら、

クラスのやつらなんて言うかな～」

『えー…！？もう…わかった、わかったから。

…ダ、ダイキ。

…はい！これでいいでしょ？！

ほら早く行かなきゃ！』

耳まで真っ赤にして俺のことを後ろから押してくる。

この幸せがずっと続きますように。