重岡くんとダイキ【赤】 (ページ28)

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『…え？』

その瞬間ぎゅっと私を抱きしめていたはずの手が緩んで、

ビクッと重岡くんが動く。

バッと体を離されて、驚いた表情でこちらを見つめている。

さっきと全く変わらない人のはずなのにまるで別人のような反応。

「へ、なん、？！…なんで！桐山さ、…」

これがさっき話してたもう1人の人格。

なら、私がすることは１つしかない。

『重岡くん。』

「はっはいぃ！」

出きってるYシャツの裾を握りしめてそわそわしたままの重岡くん。

これもこれでまたかわいいんだよなぁ、

って私重症だな。

『…私、重岡くんが好きです。』

「…え…？」

さっき以上に挙動不審になって、

え？ドッキリ？なんやこれ、え？ゆ、夢？

とかぶつぶつ言ってる。

「え、あ、あの…本気、ですか？」

そっと頷くと、みるみるうちに真っ赤に染まる顔。

「ぼっ！ぼぼ僕も！

僕も桐山さんのことが好きです！

もももももし！よかったら、あの、こんな僕でよければ、付き合ってください！」

言い切って顔を手で覆う重岡くん。

もう1人の重岡くんよりもちゃんとハッキリ言ってくれて、

こっちの方が男らしいんだなってビックリした。

『こちらこそ、こんな私ですがよろしくお願いします』

と伝えたら真っ赤にしたまま、

今まで見たことないくらいの笑顔でブンブン首を振った。

こうして私たちは付き合うことになった。