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お互い何も話さぬまま
時計の針が進んでいった。
というよりも、ただ
わたしが話すことを避けてる、といった方が意味があっている。
話しかけられても、うん。とかでしか返せなくて、話は案の定続く筈なくて。
「桐山、ちょっとついて来て」
「うん」
階段を上がり、
そのまま神山くんの部屋であろう場所に着いた。
「ごめん。ベッド小さいんやけど」
「えっ。わたしソファーで……」
その前にこれ以上のこの部屋にいれない。
リビングに戻ろうとして、方向を変えるけど
手を掴まれて、
ドキッとして動きが止まった。
「ええから」
「無理だって!」
勢いよくバッと振り向いたら、思わず神山くんと目があって
また何も言えなくなっちゃって。
無理。ってそういうことじゃなくてって言わなきゃなのに。
「あーごめんな……」
「や、えっ。神山、くん?」
神山くんは枕と布団をベッドから取って、
下に降りていった。
イマイチ状況が掴めないまま、わたしも下に降りる。
「確かもう一枚布団が……お。あったあった」
神山くんはソファーと、その近くに布団をしいた。
「どっちで寝る?」
「……えっ」
ちょっと待って。
こんな近くで。
寝言とかイビキとか、にーちゃんによく言われるし……。
「ほんじゃ、ジャンケンで勝った方が下で寝よ!」
「え!?」
「ジャンケンほい」
流されるまま出したグーは、
神山くんの出したチョキに勝っていた。
「じゃあ桐山が下な」
「……う、うん」
……ありがとうございます…。
小さく呟いて、布団に入った。
「ふわぁあ…ねっむ……」
ソファーで神山くんは大きなあくび。
いいのかな。
するとスマホが振動した。
にーちゃんからメールだ。
【明日朝、時間空くから鍵開けに行くわ。今日どうすんねん】
……神山くんの家泊まってます。
数分後に返信がきた。
【神ちゃん?
OK。明日神ちゃんの家迎えに行くから。待ってろ】
え?来るの?
【あほ。お前みたいな奴がお世話になったんやぞ。ちゃんとお礼言わなアカンやろ。てか寝る】
……なんやねんっ。
この豚っ。
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暖莉_nonri(プロフ) - 阿部氏さん» ありがとうございます(*^_^*) 次回作は淳太くん予定ですので、これからもよろしくお願いします (2016年4月18日 18時) (レス) id: 1e861a5091 (このIDを非表示/違反報告)
阿部氏(プロフ) - 完結おめでとうございます!!次のお話も楽しみにしています!! (2016年4月18日 17時) (レス) id: 5ff2127762 (このIDを非表示/違反報告)
暖莉_nonri(プロフ) - 神倉りか。さん» このあと裏話かその後を書く予定でしたので、完結はもう少し後になると思います(^^) コメントありがとうございます! (2016年4月4日 18時) (レス) id: e29b4f2042 (このIDを非表示/違反報告)
神倉りか。(プロフ) - はじめまして!完結おめでとうございます。神山くんと夢主ちゃんのこれからの恋を見てみたいので、もしよければ続編考えていただけると嬉しいですっ (2016年4月3日 10時) (携帯から) (レス) id: 0d8d72bc5c (このIDを非表示/違反報告)
あやの - 暖莉_nonriさん» はい!頑張って下さい(≧∇≦) (2016年3月27日 21時) (レス) id: af77e259fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:暖莉_nonri | 作成日時:2016年3月13日 22時