55.言いかけた気持 ページ10
「おい。明里、Aに何言うてんねん。変な事話してへんやろな？」
「うん。大丈夫やで。大毅が昔泣き虫やったことは話してないから」
「って、今言うてもーてるやん！！」
「しゃーないやろ。ほんまの事やし」
ぎゃーぎゃーと騒ぎ立てる重岡くん。
けれど、狭山先輩はそれを慣れたテンポで上手く言い返している。
“流石は幼馴染み”なんて関心していると詩織も話しの輪の中へやってきた。
「咲坂先輩、私も教えてもらっていいですか？」
「あ、詩織ちゃん。私も同じこと思ってた」
咲坂先輩が言えば「私もー！」と声を上げる狭山先輩。
「あ、コラ話を逸らすなー！」って叫ぶ重岡くんを放置して、私たち4人は交換を始めた。
暫くして、言い返す事を諦めた重岡くんと神山くんとも連絡先を交換し終わると、後ろから肩をトントンっと叩かれる。
「俺も、いい？」
その声に体がぎこちなく反応する。
だって、藤井くんやったから。
彼からの申し出に緊張で胸がきゅうっと締め付けられる気がした。
「うん…」
連絡先を登録している藤井くんの表情をちらっと盗み見る。
(やっぱり、かっこいい。)
ドキドキする。
けど、
前みたいなドキドキとはどこか違う。
「あの…藤井くん」
「ん？」
首を傾げる彼と目が合う。
「あの、えっと……………、私…」
(ずっと、藤井くんのこと…………)
そこまで言葉が頭を過ぎった所でハッと現実へ引き戻されるように我に返った。
「っ…！？」
(私………、今何を言おうとしてた…？)
「え？なに？」
「あっ！…や、何でもない！！」
「ほんまに？」
「うん！ほんまに！！あ、交換してくれてありがとう！」
「おん」
タイミング良く連絡先を交換し終わった私は、恥ずかしさと戸惑いで居心地が悪くて………
逃げるように詩織の元へ戻った。
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みのり(プロフ) - ★さん» 【2】の方も修正完了しました。本当にありがとうございました！ (2018年3月12日 7時) (
レス) id: d43be443f3 (このIDを非表示/違反報告)
★ - 53【振り返えった。】→「え」いらない、 57【叩い手くれて。】→叩いてくれて だと思います。パート1→7ヶ所間違い指摘したので直してもらえたら嬉しいです (2018年3月11日 23時) (レス) id: 9eec283ac6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みのり | 作成日時：2017年4月9日 16時
