61.可愛い時々照れ ページ16
暫く歩いてクラゲの水槽を抜けると、天井がアーチ状の水槽になっているトンネルに辿り着いた。
開けた景色と頭上を泳ぐ魚に目を奪われて「わぁー」と歓声の声が漏れる。
トンネルの上を泳ぐエイの姿。
滅多に観られないアングルにテンションが上がっていく。
「見て！エイの口が見える！可愛い」
そう言って、エイの真下に駆け寄りながら繫いでいる方の手から力を抜いてみた。
けど、小瀧くんが離してくれる様子はない。
「ほんまや！でも、さっき照れてたAの方が可愛いかったけどな」
「え！その話しまだ引っ張る？」
「おん」
にっこりスマイルの小瀧くんに目眩のような感覚を覚える。
(アカン。この人、人の話し聞いてない………)
「…………だーかーら！」
(可愛いって簡単に言わんといてってば！！)
と言いながら、この気に乗じて手を解こうとする。
けど、上手くいかなくて。
「あ、あれ？」
「残念やったな」
その声に手元から小瀧くんへ視線を移せば、嬉しそうに笑われてた。
「分かってるなら手…」
「嫌や」
「ちょ、最後まで話し聞い……」
「嫌や！」
「だから…………」
「嫌や！！」
「…………。」
「嫌や！！！」
「待って？私、何も言ってない」
「とにかく離さへん！」
「何で？」
「今は2人しか居らんねんから、ええやん」
そう言ってキュッと握り返してくる。
なんやろ、相変わらずしつこい小瀧くんやけど………
「前から思ってたけど、小瀧くんってたまに甘えん坊さんみたいやな」
そう、だから憎めないと言うか何と言うか、最後には許してしまう。
私の言葉に、今度は小瀧くんが照れる番だった。
「う、うるさい」
ぷいっと私から少し顔を背ける。
(今までのも全部甘えてくれてたんかな？)
いつもとは違う立場を良いことに、仕返しのつもりで「可愛い」って言えば「覚えとけよ」って言われた。
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みのり(プロフ) - ★さん» 【2】の方も修正完了しました。本当にありがとうございました！ (2018年3月12日 7時) (
レス) id: d43be443f3 (このIDを非表示/違反報告)
★ - 53【振り返えった。】→「え」いらない、 57【叩い手くれて。】→叩いてくれて だと思います。パート1→7ヶ所間違い指摘したので直してもらえたら嬉しいです (2018年3月11日 23時) (レス) id: 9eec283ac6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みのり | 作成日時：2017年4月9日 16時
