60.意識 ページ15
「せっかく来たんやし、ゆっくり見て行こ？」
「え、で、でも…」
確かに、せっかく来たのに鑑賞せずに通り過ぎるのは勿体ない。
けど、何もしないのも違うと思った。
「見ながら探せばいいやん。それにみんなの連絡先はさっき交換したやろ？」
「…うん」
「誰からも連絡ないって事はみんなも楽しんでるんやと思うし」
「な？」って問いかけてくる小瀧くん。
彼の言葉には説得力があったし、「言われてみれば」って思い出す。
だから「分かった」って返事をしたら小瀧くんが嬉しそうに微笑んだ。
それからはゆっくり歩きながら大水槽を泳ぐ魚たちを見て回った私たち。
さっき引かれた腕は、知らず知らずのうちに小瀧くんと手を繋いでた。
(小瀧くんと手を繫ぐのはもう何回目やろ？)
とにかく初めてじゃない。
のに、やっぱり慣れへん。
(カップルでもないのに…なんか、恥ずかしい)
そんな感情のせいなのか、暫く会話は続かなかったけど、そこはやっぱり小瀧くんで。
「見てみて！ヘンな顔の魚おるで！」
って言われて「ほんまや！」って素直な感想を返せば今度は変顔で笑わせてくれたりして、そこから話しが膨らんでいく。
みんなと回れないのは残念。
けど、これはこれで凄く楽しい。
それは何だかんだ言って話しかけてくれる小瀧くんのお陰かも知れない。
それでも、流石に手を繋いだままでいるのは恥ずかしくて。
(詩織たちに見られたら…………)
とか、考えてしまう。
かといって、それを口に出していうのも恥ずかしい。
(私が意識しすぎなだけなんかな？)
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みのり(プロフ) - ★さん» 【2】の方も修正完了しました。本当にありがとうございました！ (2018年3月12日 7時) (
レス) id: d43be443f3 (このIDを非表示/違反報告)
★ - 53【振り返えった。】→「え」いらない、 57【叩い手くれて。】→叩いてくれて だと思います。パート1→7ヶ所間違い指摘したので直してもらえたら嬉しいです (2018年3月11日 23時) (レス) id: 9eec283ac6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みのり | 作成日時：2017年4月9日 16時
