100% You Love Me.【黄】

＊003 ページ3

そして夜。


　


車で向かうらしく


淳太の車に乗っている。


　


淳太の香りでいっぱい。


　


車に乗るのは、案外初めてで


だからか淳太の運転している姿も新鮮。


　


　

「これ俺の好きな曲やねん」


　

信号待ちのあいだ、


流されたのは


英語のバラード。


　


　

夜景とマッチしている。


また走り出された車


運転席に座る、淳太の横顔。


　
よくみてみると結構整ってる。


　



「…ん？どないしたん？」


「え？」


　


横顔を見つめ過ぎてたのか


こっちをチラリと向いて笑う。


　


「もしかして、みとれてたん？」


「はっ、そ、そんなんじゃないし」


「ふぅん」


「…だ、大体、こ、ここ、に…わ、たしが、いっ、」


　


あぁもう。


なんか上手く話せない。


　


「テンパッてる。かーわい」


　


ふふっ、とまた笑って


わたしの頭をポンポンって撫でてくる。


…反抗出来ないのはなんで。


　


　

「大丈夫やで？緊張せんでも」


「…違っ、いまのは、たまたま言えなかっただけ」


「ま、そういうことにしたる」


　


　


…なんか


ペースが淳太に持ってかれてる。


　


別に…


そういうんじゃなくて


　


…きっと


　

…きっと、違う理由があるはず。


　


　


　

・







「ん、着いたで」


「え、でもここ」


　


綺麗に駐車させられた車から、降りる。


　


目の前のお店は、どう考えたって


洋服屋。


　


「スーツ姿やと、仕事気分抜けへんから」


「…でも、」


　

ここ凄く高そう…




「Aに似合うドレスあってん。…やからプレゼントしたいなって」


　


行こ。って


未だにお店の雰囲気に飲まれそうなわたしの手を引っ張り


慣れたようにお店に入る。


　


　


「中間さん、いらっしゃいませ」


「こんばんは。あのドレスってまだありますか？」


「ありますよ。少々お待ちください」


　

品のいい店員さん。


　

「ていうか、手、離して」


「…あ、ごめん」





…自分から手を離せといったけど


離れたら離れたで案外寂しい。


　


「いつもこういうとこきてんの」


「まあ」


　


相当な金持ちだな、おい。


　


　


「このドレスでよろしいでしょうか？」


「そうです。ちょっとA、着替えて」


「は？なんで」


「試着せえへんといけへんやん」


「…」


　


・

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