Story 5 ページ6
「Aっ！！」
人通りの少ない、階段で顔をふせて座っていたA
呼ぶと俺に気づいて、口を開ける
「濱、ちゃん」
「ごめん、」
そういいながら、近づくと
グループフルーツの香り
せやった
Aんちは、グループフルーツ作っとるんやった
「大丈夫…なんも怒ってないから」
「おおきに…」
少し苦手な香りやけど、弱々しくなっている幼馴染みを慰めなアカン、と思って隣に腰を下ろした
「転校したないよ…」
どこかをボーッ、と見つめた瞳
「そういえば、なんでこんな時期に転校するん…？」
「…小3の妹おるやん？」
「あー、えっと…瀬那ちゃんやったけ…」
「うん、瀬那がね、東京のモデル事務所に受かっちゃって」
「え、ほんま」
確かに瀬那ちゃん可愛いもんな
「うん！凄いよね！！」
さっきまで落ち込んでたっていうのに瀬那ちゃんの話になったとたん笑顔になって
どんだけ瀬那ちゃんのこと好きやねん
「…あ、でね、瀬那が東京に行かなアカンくて…おとうもおかあも、仕事あるし、」
「せやな、自家営業やってんもんな」
「うん、だから、東京で一緒に暮らすってなって…」
「え、誰が」
「うちと瀬那」
うそぉ。やってまだ中3やん
「で、でもさ、春樹さんとか、蒼太さんとか…あ、湊さんとかもおるやん！なんでお兄さんとかお姉さんや、ダメなん？」
「ん…と、春兄は家事できひんし、蒼太兄ちゃんは、多分跡継ぐから、家の手伝いあるし…お姉ちゃんは、もうすぐ結婚することになってて、」
「となると、次女のAが…ちゅうことになんねんや」
「うん、でも、高校生になるまでは、春兄とも暮らすつもり」
「そっか…大変なんやな」
Aは、ちょっとだけ微笑んで
「でも、家族みんなで協力するのはええことやと思うから。うちは、瀬那の夢応援する」
と、ゆっくりゆっくり言った
・
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暖莉_nonri(プロフ) - anon*。さん» わぁありがとう！ (2016年3月2日 19時) (
レス) id: 1e861a5091 (このIDを非表示/違反報告)
anon*。 - miNoRiさん» 甘酸っぱい恋でめっちゃ青春って感じがしたっ!! (2016年2月29日 20時) (レス) id: fbf697670a (このIDを非表示/違反報告)
miNoRi - はーちゃさん» 楽しく読んでもらったみたいで、良かったです(〃^ー^〃) (2015年8月3日 20時) (レス) id: 1e861a5091 (このIDを非表示/違反報告)
はーちゃ - とっても素敵なお話でしたぁ！すこし切ない感じが伝わってきて、グレープフルーツがポイントとなって話が進む感じが素晴らしかったです！！ (2015年8月2日 17時) (レス) id: 547cf172ef (このIDを非表示/違反報告)
miNoRi - amaneさん» 私もしたいです〜(泣) 青春好きな作者の妄想、読んで頂きありがとうございました(^_^) (2015年7月30日 16時) (レス) id: 6ba87dc86b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：miNoRi | 作成日時：2015年7月26日 13時
