彼 氏 は 私 の ス ト ー カ ー で し た 。／K.Nozomu

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『サッカーやろかなぁ』

　


部活見学を終え、校門に近づく

　


まだ沈んでない太陽に、重岡くんは顔を向け、眩しそうに目を細める

　


　

「部活入る？」


　


　


そう聞く前に違う言葉が口から出た

　


　


「濱ちゃん、」

　


黒い車が近くに。

　


そーいや、免許取ったって言ってたしな

　


『…だれ？』

　


「あっ、と、うんと、彼氏…？」




『…そうなんや。馬っぽi(「それ以上は言わないであげて」りょーかい..』


　


『A、迎え来た…んやけど、近くの男の子は…？』




「クラスメイト。大阪から引っ越してきた転校生」

　


『そうなんや』

　


「うん、うちと家近いよ」

　


『ほんまかぁ。せやったら一緒に乗っけてくわ』

　


『いや、ええですよ！！ここらへんの道も覚えなアカンですし！！』

　


『ま、ええやんか。ほれ乗れ』

　


濱ちゃんに無理矢理連れられて車にｉｎ

　


私も助手席に乗り込む

　


いつもの聞きなれたエンジン音と共に車が走り出す

　

ミラー越しで後ろみると緊張しているご様子

　


『…せや、淳太も乗っけんと。ちょっと、駅寄るな』

　


「うん、お兄がいるの？」

　


『おん、A、会うん久しぶりやろ？』

　


「だね」

　


『んま、そういうことやから、駅ついたら淳太に助手席乗ってもらうから、A、後ろ行けよ』

　


「はいはい」

　





久しぶりだ

　

お兄と会うの。

　

今回はいつまでここにいるんだろ

　

　

お兄はね、濱ちゃんと同い年で、親の会社の跡継ぎ


本社が関西にあるから、あんまり会わないんだ

　


だから私達とは一緒に暮らしていない

　

そして、濱ちゃんとお兄の繋がりはたんなる高校の同級生

　

なんか仲良くなって今は私の彼氏

　


ちなみに濱ちゃんは薬剤師さん

　


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