能面執事２【紫】 (ページ36)

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「……たか、ひろ？」

俺が無反応なのを変に思ったんやろう、

近付いて来たAが顔を覗き込む。

何も言わずにその腕を引っ張って、俺の足の上に座らせて

頭の後ろに手を固定してキスをする。

「…ふ、……んん」

息が追いついてないのが可愛くて、

もっと見たくなってしまって、

Aが胸をトントンと叩くのも無視して続ける。

俺が満足して、唇を離した頃には、Aの顔は真っ赤。

「この、…変態執事」

夢で見たように言われてしまってちょっと笑った。

けど、Aが俺のTシャツを離さないから

…そーいうコト、でええやんな？

「ふは、 …どうとでも言え」

ベッドに寝かせて

リボンを取って、Yシャツのボタンを一つずつ外していく。

「うわ…これアカンことしてる気分になるわ…」

自嘲気味に笑うと、もっと顔を真っ赤にして

腕で顔を隠すA。

「言わないでよ…私だって恥ずかしいんだから」

「なんでじゃあこれ着てん？」

望に着ろと言われて着るようなAじゃないのは、

なんとなく分かってたから不思議やった。

「……あの日以来、…その、してない…から

望に言ったら、『これ着て誘え』って言われて…」

俺、まんまと小瀧の策に嵌められてるやん。

「Aのこと大事にしてるから、せぇへんかっただけやで。

でも不安にさせてたんなら俺が悪いから、

今日は優しくしたるわ。」

「……変態。」

「変態なんはAもやろ。」

「でも、」

「もう、うるさい。」

そうして夜は更けてった…

アナザーストーリー

濱田のユメ END