69. ずっと好き ページ19
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「……は、まだ？」
口を開けたままポカンと立ち尽くす濱田に声をかける。
「へぇ！？ あぁ…
とっても、お綺麗です。」
鏡の方を向いた私とは目を合わせずに言うと、
ドレスの裾を踏まないように近付いてファスナーを上げる。
そのまま、後ろに一歩下がるかと思ったら、
ぎゅぅっと後ろから抱きしめられた。
「濱田…？」
なんで、？
なんでこんなことするの？
忘れられなくなっちゃうじゃん。
「俺も、……実は明日結婚するんです。」
「…、え？」
小さな、息が漏れたみたいな声が出た。
「しかも、A様と同じように、知らん人と。」
肩のあたりでへへ、って笑う声が聞こえて、
その後鼻をすする音が聞こえた。
「けど、俺は好きな人が、おって。
その人になんも言われへんの嫌やから、
今言おうと思います。
A様、好きです。
初めて会ったときから、ずっと。」
息が止まった。
止めきれなかった涙が何粒も頬を伝う。
抱きしめる手を緩めて、濱田が前に回ると、
少しだけ潤んだ目が合う。
「濱田…」
「、返事はいいんです。
俺が言いたかっただけなんで｣
「やだ。言わせて？」
「……っ、なんで？！
ちゃんと振られる覚悟、まだ出来てな「私も、」
「…え？」
「私も、好き。ずっと好き。
多分、濱田と出会った時からずっと。」
ぐいっと腕を引き寄せて抱きしめられる体。
これだ。
私が好きで、永遠にそばにいたいと思える人は
あなただけだよ。
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作者名：ちい
| 作成日時：2017年10月9日 0時
