能面執事２【紫】 (ページ7)

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57. どきどきと好きページ7

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「「ごちそうさまでした！」」

「おう、また2人で来てな？」

大将は照史に似た笑顔でニカッと笑って言った。

…きっと叶う日は来ないのかもしれないけど。

「ほな、…帰ろか。」

白い息が飲み込まれてくような夜空の下、

ポケットに手を入れると伝わる感触。

…そうだった。

「あ、えと、ねぇ崇裕…！」

先に車の方に向かっていた体を向ける濱田。

なんだか崇裕、って呼ぶのが少し慣れてなくて恥ずかしくて、

ちょっとだけ嬉しい。

…嬉しい？

「、A？…なしたん？」

そんなこと思ってたら、いつの間にか

私の近くまでまた戻ってきてくれてた。

「あ、あの、えっと……これ！」

ポケットからキーホルダーの片方を取り出す。

「今日のお礼。って言っても、足しにならないかもしれないけど…

キーホルダー。一応私とおそろいだったり…」

自分の持っているもう片方を見せつつ、

そっと出された濱田の手のひらに置く。

……なんの反応もない。

「あ、……ごめんね

やっぱり嫌、だよね。」

手のひらに置かれたキーホルダーを見つめたままの

濱田の手からキーホルダーを取ろうとした、刹那。

その手を引かれてぎゅっと抱き締められた。

「ちょっ、濱田？！」

「…A、ほんまにありがとう。

めっちゃ嬉しい。」

彼の胸の鼓動が聞こえる。

なんだか、すごくどきどきするけど、それと同時に安心した。

そこでやっと確信した。

私、濱田のこと好きだ。