Night out

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翌日大学へ行けば、昨日連絡した友達と数名から「大丈夫？」と聞かれ、「ちょっと風邪ひいた」なんて大嘘つけば、心配する様子もなく「そっか」って。

仲が深いわけじゃない。
ただ、サークルで知り合ってから
なんとなく一緒にいるだけ。

あまり仲良くなりすぎたら、夜遊びがバレた時
面倒くさいから。

それでも生活には困っていないし、つまらないわけでも、孤独感に押しつぶされそうってわけでもないから、可哀想だとは思わないで欲しい。




「あ、そういえばA知ってる？」




急にヒソヒソ声で話し出す彼女たちの目は
期待に満ち溢れていて、良い話題なのだと察した。

サークル関係のことだとは思うけれど、
やっぱり、かっこいい1年生が入部希望してくれたとか、新しい顧問がタイプだったとか、そこら辺なんだろう。

それでも一応、楽しみにしている感を装って聞き返す。




『知らない知らない！教えて〜』


「え〜？」


『焦らさないで、早く！』


「わーかったって！」







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"4年の藤井先輩、知ってるでしょ？あの、関西人の。

明後日ね、帰ってくるんだって！！ニューヨークから！"








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全身の力が抜ける。

ドクドクと身体中の血管が脈打っているのを感じた。





"帰ってくるんだって！！"




友の声が、頭から離れない。






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「A？おーい、A？」





逃げ出したくなる気持ちを必死に堪え、
「なんだ、1番びっくりしてんじゃん！」と
笑う彼女に、再度目を向けた。



『藤井先輩って、あの、』









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"フジイリュウセイ？"






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「そうに決まってんじゃん、どうしたの」








左手で右手を包むように握りしめ、
「やっぱそうだよね」と下手くそな笑顔で笑うので
精一杯だった。








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