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ちゃんと、覚悟だってできていたはず。
だから私はあなたと見るはずだったイルミネーションだって、先輩と見たのに。
なのに、思ったよりも心が痛い。
仕事と言っているけど、あの子とすごすことくらい
わかっていた。
長年片想いしてて、ようやくチャンスが回ってきたんだもん。
彼からしたらもはや他人と、
恋人だったら、
恋人との予定をとるにきまってる。
_全力で、手に入れるやろな_
あの時一度向けられた、愛おしいものを見る目が
今度はルカさんに向けられる。
美男美女だから、みんなから羨ましがられるんだ。
ルカちゃんは望くんにベタ惚れね、って。
いや実は、ツンデレな望くんの方が惚れ込んでるのよ、って。
ベッドに倒れ込む。
天井を見上げた。
以前、彼がホテルでやっていたように
右腕で両目を覆えば
思い出されるのは
楽しかった、先輩との思い出
なんかじゃなくて、
ただただ互いに快楽を求めるだけだった
望くんとのお遊びだったから。
顔の横をつたう、一筋の涙。
拭うのも面倒くさくて、そのままにしてたけど、
やだな。これ、なかなか止まらない。
慰めを、必死にさがした。
彼は…望くんは…
たったの一晩寝ただけの他人だったのに。
毎夜のように夜遊びに来る私を
自分の客にして、
キャッチから守ったり
連絡先渡してきたり
電話一本で、常連さんのお相手抜けてきてくれたり。
"しんどい"なんて
"辛い"なんて
一言も言ってないのに、
_どうした_
_しんどいんちゃうん_
泣きながら口付けをし続ける私を抱き寄せ
髪を梳かしながら
あなたは言ったじゃない。
「大丈夫やって」と。
お前を捨てるわけじゃない、と。
『こたきの、ばぁか…』
初恋が、儚く散った時の
あの衝撃に襲われる。
絶望していた。
もう二度とこの衝撃を味わわないようにするため、
夜遊びをしているはずだったのに。
絶望は、
それまで幸せだったから訪れる。
幸せ、だったのか。
無感情で接していると思い込んでいたけど
本当は、楽しかった。
負けだ。完敗。
夜の仕事をする、あなたに惚れてしまうなんて。
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赤ずきん(プロフ) - mさん» 返信遅くなってしまい、本当に申し訳ないです。長文の感想、ありがとうございます。他の作品も読んでくださっているんですね!藤嫁のあの文は、少しでも頑張っているジャス民さんのお力になれればと、必死に考えたものだったので、そう言っていただけて嬉しいです (2019年1月26日 15時) (レス) id: 651c6f2efb (このIDを非表示/違反報告)
m - 感想長くなってしまい、ごめんなさい。これからも、赤ずきんさんのペースで大丈夫ですので!お話楽しみにしております。お体にお気をつけて頑張って下さい。 (2019年1月4日 23時) (レス) id: 1a2ae0eb63 (このIDを非表示/違反報告)
m - 初めまして!小説読ませて頂きました!赤ずきんさんの書く小説がドンピシャで大好きすぎてファンになりました!藤嫁こた専も読ませて頂きましたが最高でした!何よりも、藤嫁の最初のページの絶える事のない悩みを抱えつつ〜のコメントがとても胸に響き、泣けました。 (2019年1月4日 23時) (レス) id: 1a2ae0eb63 (このIDを非表示/違反報告)
赤ずきん(プロフ) - 紫春さん» 1コメ嬉しい〜!ありがとう!!いやいや、天才ではない笑 でも、今までのよりはちょぴっと大人っぽいよね笑 頑張る!無理してないって!笑 応援ありがと! (2018年12月16日 21時) (レス) id: 651c6f2efb (このIDを非表示/違反報告)
紫春(プロフ) - 読んだ!!え、何天才なの?めっちゃドキドキした!!続きが気になって仕方ないんだけど!更新楽しみにしてる!でも、無理しないこと (2018年12月16日 20時) (レス) id: 8db4ba7a0d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:赤ずきん | 作成日時:2018年12月16日 19時