2 ページ2
·
目映い光に目が眩み、反射的に一歩後退る。
息を吸って、目を閉じた。
やっぱり今日は帰ろうか、なんて考えが
頭を過ぎったけれど、ふと店の窓ガラスに反射した
メイクバッチリの自分と目が合って。
1歩踏み込んだ。
大人の街。
なめられないように堂々と。
いつもは履かないような10cmのヒールは
歩きにくくて仕方ないけれど、
ゆっくり歩いていればそれはそれでまた
大人の余裕がある。気がする。
「なぁ、君」
肩に触れた手に、胸が高鳴った。
キュンとかじゃなくて、ただの好奇心。
「ひとり?」
『そう。』
「この後あいてる?」
『ん。』
"なら…"
繋がれた手に、愛はこもっていない。
その感覚がたまらなくて、より強く手を握ってみた。
それでも平然としている相手と、一向に速くなる見込みのない鼓動。
全部が全部、大人のお遊びで。
いい気分だった。非常に。
この街には、私と彼が手を繋いで歩いていても、
軽蔑するような眼差しを向ける人なんていないし、
寧ろそれが当たり前なのだ。
どんな美人とどんなおっさんが腕を絡めあっていようと、キスをしていようと、誰も、何も言わない。
自分のことに、精一杯で。
他人なんか見ていないんだから。
だから、ここは私の住処なんだと思う。
·
1011人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
赤ずきん(プロフ) - mさん» 返信遅くなってしまい、本当に申し訳ないです。長文の感想、ありがとうございます。他の作品も読んでくださっているんですね!藤嫁のあの文は、少しでも頑張っているジャス民さんのお力になれればと、必死に考えたものだったので、そう言っていただけて嬉しいです (2019年1月26日 15時) (レス) id: 651c6f2efb (このIDを非表示/違反報告)
m - 感想長くなってしまい、ごめんなさい。これからも、赤ずきんさんのペースで大丈夫ですので!お話楽しみにしております。お体にお気をつけて頑張って下さい。 (2019年1月4日 23時) (レス) id: 1a2ae0eb63 (このIDを非表示/違反報告)
m - 初めまして!小説読ませて頂きました!赤ずきんさんの書く小説がドンピシャで大好きすぎてファンになりました!藤嫁こた専も読ませて頂きましたが最高でした!何よりも、藤嫁の最初のページの絶える事のない悩みを抱えつつ〜のコメントがとても胸に響き、泣けました。 (2019年1月4日 23時) (レス) id: 1a2ae0eb63 (このIDを非表示/違反報告)
赤ずきん(プロフ) - 紫春さん» 1コメ嬉しい〜!ありがとう!!いやいや、天才ではない笑 でも、今までのよりはちょぴっと大人っぽいよね笑 頑張る!無理してないって!笑 応援ありがと! (2018年12月16日 21時) (レス) id: 651c6f2efb (このIDを非表示/違反報告)
紫春(プロフ) - 読んだ!!え、何天才なの?めっちゃドキドキした!!続きが気になって仕方ないんだけど!更新楽しみにしてる!でも、無理しないこと (2018年12月16日 20時) (レス) id: 8db4ba7a0d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:赤ずきん | 作成日時:2018年12月16日 19時